セイノーホールディングスは5月27日、傘下のセイノースタッフサービス(SSS)とハコベルが連携し、ドライバー人材紹介スキームの本格運用を2025年5月より開始したと発表した。
ドライバー人材の需給ギャップを解消する具体的な解決策として、物流業界全体が直面する人手不足を改善する。
スキームは、ハコベルに登録されたドライバー人材を、SSSが紹介元となって全国の物流企業に人材紹介するサービスで、セイノーグループ内にとどまらず、外部物流企業も紹介の対象となる。
人材紹介に加え、紹介予定派遣や初期教育の支援、定着に向けたフォロー体制の整備など、雇用のスタイルや人材の状況に応じた柔軟な対応が可能。これにより、採用側と求職者双方の要望を的確に捉えたマッチングを実現し、継続的な雇用関係の構築につなげていく。
今後、セイノースタッフサービスとハコベルは、それぞれの強みを活かしながら、人材供給と企業ニーズのマッチング精度をさらに高める体制を構築する。特に、ドライバー人材の定職化や継続雇用に向けた支援機能を強化し、物流業界における人材の流動性と定着の両立を実現していく。
セイノーHDとしては、この協業を、O.P.P.(オープン・パブリック・プラットフォーム)を体現する取り組みと位置付けている。グループ内にとどまらず、外部企業との連携を視野に入れながら、業界横断で人材資源を循環させる仕組みを広げていくことで、社会全体の物流人材課題に応える持続可能なモデルの構築を目指す。
なお、物流業界では、労働時間規制の強化で発生した「2024年問題」や高齢化などにより、ドライバー人材の確保が難しくなっている現状にある。SSSは、外販比率8割にのぼり、物流企業からの人材紹介ニーズが継続的に寄せられていたが、供給力には限界があり、対応が難しいケースも発生していた。
一方、ハコベルは、運送・物流業界で人材を求める企業と就職・転職を考えている求職者をマッチングする人材サービス「ハコベルキャリア」を展開するにあたり、人材紹介ニーズを持つ物流企業との接点の開拓という課題を抱えていた。
両社はこの課題を接続する形で連携を決定し、より柔軟かつ高精度な人材マッチングの仕組みを実現するに至ったもの。
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