商船三井は5月27日、発明協会主催の2025年度全国発明表彰で、「風力推進船の帆の高さが伸縮可能な硬質翼の発明」がWIPO(世界知的所有権機関)賞を受賞したと発表した。
受賞は、帆を上下に伸縮させることで高さを調整できる硬翼帆の発明に関するもの。帆全体をテレスコピック方式で上下伸縮させて帆面積を拡大・縮小し、空力中心の位置を調整することでマスト基部にかかるモーメントを調節できる。
この硬翼帆を用いれば、化石燃料に代わる推進エネルギー源として風の力を船の推進力へ変換でき、燃料節減に伴う温室効果ガス(GHG)排出削減効果が期待できる。
2022年10月にこれを搭載した、載荷重量約10万トンの石炭輸送船「松風丸」では、これまでの航海実績において1航海平均で約5~8%、1日で最大約17%の燃料節減効果を記録している。
なお、この硬翼帆は今後、ばら積み船7隻、LNG船2隻に順次搭載予定で、商船三井は2030年までに25隻、2035年までに80隻へ搭載する計画としている。
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