日本GLPは6月19日、茨城県猿島郡境町で延床面積約 8万3940m2の「GLP 境古河I」が竣工したと発表した。
「GLP 境古河I」は、境町が新たな産業用地として開発を進めてきた「猿山・蛇池地区開発事業」地区内に立地しており、敷地内には、BTSニーズへの対応も可能な「GLP 境古河II」も建設予定で、2棟合わせた総延床面積は最大で約16万3000m2だ。
なお、「GLP 境古河I」は、物流事業および関連人材派遣事業を展開するオオサカデリバリー、寝具やトラベルなどのD2Cブランドを展開するKURUKURUなど計3社と竣工前に賃貸借契約を締結済み。
最小区画約740坪(約2440m2)から賃借が可能で、さまざまな保管ニーズに対応することができるマルチテナント型施設。1階は低床バースと床荷重 2t/m2対応により、自動車部品をはじめとする重量物の保管がしやすい区画を導入し、2階は1000坪(約3300m2)以下の複数の小割区画を設けることで多くの企業が入居しやすい設計としている。そして、3-4階は有効天井高を最大7.0m確保したスペースを設けることで保管効率を最大限向上させた仕様にするなど、圏央道エリアの庫内オペレーションに適した特色ある設備をフロアごとに実装し、多種多様な入居企業のニーズに対応する。
入居するオオサカデリバリーには、施設への入居にあたってIC至近の立地に加え、カフェテリアなど雇用環境の整った先進的物流施設を小区画から利用できる点などで評価を得た。同社は、施設をEC事業者向けのフルフィルメントセンターとして利用する予定のほか、展開する物流に特化した、人材派遣事業により他の入居企業の雇用確保をサポートする体制が構築されることが期待される。
KURUKURUは、EC 商品の在庫保管および配送拠点として当施設を活用し、さらなる事業拡大と業務効率の向上を図る。また、空きスペースを活用した倉庫業への新規参入も計画しており、日本 GLPの「GLP コンシェルジュ」などのソフトサービスを活用しながら、柔軟かつ実践的な物流体制の構築に取り組んでいく。
圏央道「境古河 IC」から約0.4km、そして国道354号線沿いに立地することから、高速道と一般道双方へのアクセスに優れている。圏央道は最短2026年度を目途に4車線化へと拡大を予定しており、高速道による関東一円への広域配送がより一層可能となる。
国道354号バイパスは国道新4号線との接続を予定しており、一般道による東京都心および北関東エリアへのアクセスが向上し、今後さらに周辺エリアの交通の利便性が高まることが期待される。立地する茨城県西エリアは、既に日用雑貨や工業製品等の物流拠点が集積しているほか、自動車や産業用ロボットをはじめとする製造業の工場新設が増加しており、先進的物流施設へのニーズは一段と高まるとみられている。
施設面の特徴では、4階建てのマルチテナント型物流施設で、シングルランプを設置し1、2、3階に接車が可能。3-4階の2層使用した場合は最大約1万600坪(約3万5000m2)となり、拠点集約による保管効率を向上させることも可能だ。
1階は低床バースと床荷重 2t/m2を導入し、自動車部品をはじめとする重量物を効率的に保管することが可能。また低床&高床のハイブリッド両面バースとすることで幅広い荷物の取り扱いにも対応。
2階は最小区画を約740坪(約2440m2)とし、複数の小割区画を提供。入居ハードルの低減化に加え、適正な面積での賃借検討が可能な区画割を実現。3-4階は4階の有効天井高を最大7.0mまで引き上げ、積載荷重5.0tの大型荷物用エレベーターを設置することで、高い保管効率と運用性を実現。また人感センサー付き照明とすることでローコストオペレーションに最大限寄与した区画を提供する。
施設のコンセプトは、倉庫と働く人々の双方を活発にする「Activation(活性化)」。庫内に窓を設置し自然光を採り入れるほか、カフェテリアや無人売店を設置し、生産性向上につながる快適な就労環境を提供。外観および共用部のデザインは、明るく多様な色彩、動きのあるパターンやモチーフを取り入れることで空間に変化を生み出し、就業者や施設、物流自体がより活性化していくことを企図。
サステナビリティへの取り組みでは、BCP面では、浸水対策として受変電設備等の重要機器を屋上に設けるほか、非常用発電機を設置し、事業の継続性を確保。環境配慮として、太陽光パネルの設置を予定しているほかLED照明の採用、人感センサー付き照明設備を設置し入居企業のサステナブルな取り組みをサポート。CASBEE 認証、ZEB認証を取得予定だ。
■施設概要
施設名:「GLP 境古河I」
所在地:茨城県猿島郡境町大字蛇池字西原 748
敷地面積:4万1989.58m2
延床面積:8万3936.72m2
構造:地上4階建て、耐震S造
着工:2023年12月
竣工:2025年5月
認証取得:CASBEE認証(予定)、ZEB認証(予定)
設計・施工:JFEシビル
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