日本物流団体連合会(物流連)は3月24日、東京都千代田区の全日通霞が関ビル会議室で、2026年度第2回国際業務委員会を開催した。
同委員会は、物流事業の海外進出に関する課題を官民連携で検討する会合で、会員企業や国土交通省からWEB参加4名を含む23名が参加した。
委員会の第一部では、神奈川大学 経済学部 現代ビジネス学科 松田琢磨 教授による講演「脱中国依存下における国際海運とサプライチェーン再編」を開催。講演会にはWEB視聴者を含め50名が参加した。
講演で松田 教授は、近年の国際政治・経済環境の変化を背景としたサプライチェーン再編について、コンテナ海運市場のデータをもとに解説。2025年の世界コンテナ輸送量が前年比で増加しており、全体として輸送需要が堅調に推移している一方で、航路別では地域ごとの差異がみられることを示した。
北米航路では、中国発貨物の減少傾向がみられる一方、ASEANと南アジア発の貨物が増加、生産拠点の分散化や調達先の多様化といったサプライチェーン再編の影響を指摘。
また、アジア域内航路においては、中国と東南アジア間の半製品・部品輸送が増加しており、域内物流の重要性が一層高まっていること、コンテナ船の供給量増加に伴う運賃への影響や、中東情勢などの地政学的リスクが今後の市場動向に与える可能性について説明を行った。
第二部の委員会では、伴野拓司 委員長が最近の国際情勢変化が物流に与える影響について言及。特に中東情勢の緊張に伴うホルムズ海峡の動向など、海運を取り巻くリスクの顕在化に触れ、国際業務委員会として情報共有や官民連携を通じ、企業単独では対応が難しい課題に共同で取り組む重要性を強調した。
国土交通省 物流・自動車局 物流政策課 国際物流室 牧野武人 室長は「最近の国土交通省の国際物流政策の取り組みについて」と題した取り組みを発表。主に、コールドチェーン物流の海外展開支援に向けたパイロット事業、リターナブル物流容器に関する取り組み、サプライチェーンの多元化・強靱化に向けた実証事業の進捗状況と2026年(令和8年)の実証輸送公募について紹介を行った。
事務局からは2025年度(令和7年度)の活動報告と、2026年度(令和8年度)の活動計画案について説明。
令和8年度計画については、引き続き「物流企業の国際展開に資するための施策を実行する」をスローガンに掲げ、インドネシア物流事情実態調査の実施、物流分野における国際標準化に関する取り組みなど、原案通り承認された。



