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経産省/被災した生産拠点80%が震災前の生産水準に

2011年08月02日/調査・統計

経済産業省は8月1日、東日本大震災から3か月後の被災拠点の生産水準、部品・部材の調達状況、自粛の影響などについて、産業界の実態を把握する産業実態緊急調査結果をとりまとめた。

製造業では、被災した生産拠点の80%が、震災前の生産水準に戻っているまたは震災前よりも上回る生産水準になっていると回答しているとともに、震災前の水準を下回ると回答した拠点の7割以上が2011年内に震災前の生産水準に回復すると回答した。

また、被災していない生産拠点の83%が、震災前の生産水準に戻っているまたは震災前よりも上回る生産水準になっていた。

震災前の水準を下回ると回答した拠点の9割が2011年内に震災前の生産水準に回復するという。

生産水準が回復・増加した要因は素材業種では震災からの復興需要、被災拠点の代替生産、加工業種ではサプライチェーンの回復、海外需要の増加が多かった。

部品・部材の調達状況は、97%の製造業で既に代替調達先から調達を始めていた。国内の代替調達先では中国地方、近畿地方などの西日本で代替調達が多かった。

海外の代替調達先では、中国などのアジアからが多かった。

製造業全体の83%が従来の国内調達先が復旧後は元の調達先に戻すと答えたものの、、従来の調達先が復旧後も、現在の国内代替調達先から調達するとの回答が製造業全体で58%。従来の調達先が復旧後も、現在の海外代替調達先から調達するとの回答が42%となった。

なお、製造業全体の3割が震災を契機に海外の顧客からの取引量の減少、契約の打ち切り等の要請といった海外取引への影響があっり、その理由として、十分な供給量が確保できなかったため、原発に対する過剰反応などの声も聞かれた。

設備投資については、2011年4月以降、2011年度の設備投資計画は変更していない企業が大勢を占め、投資計画では、2010年度と比較して増額する企業が多く、国内では「合理化・省力化」「新製品・製品高度化」「維持・補修」のための設備投資が多く、海外では「能力増強」のための設備投資が多い。

全業種の5割、製造業の6割以上が復興需要による売上増の見込みがあるとしているものの、6割近くの小売・サービス業が現在の売上は震災前と比べて減少している。

売上減少の理由として、小売・サービス業の8割以上が現在も自粛の影響があるが、そのように回答した事業者の9割が自粛の影響は小さくなっているとしている。

調査期間は6月14日から7月1日で、対象企業は123社(製造業65社、小売・サービス業58社)。

■東日本大震災後の産業実態緊急調査2
http://www.meti.go.jp/press/2011/08/20110801012/20110801012-2.pdf

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