UPSは4月19日、積み荷係が貨物を間違った集配車に載せた際に通知する電子ビーコンを集配車に設置したと発表した。
「プリロード・スマートスキャン」と呼ばれるこの取り組みは、テクノロジーを使って貨物処理業務のエラー防止を図るもので、配達精度と顧客満足向上を図る。
プリロード・スマートスキャンは、Bluetoothを搭載したビーコンが、UPSの積み荷係が身に着けた貨物スキャナー端末と通信する。
貨物のラベルを読み取るスキャナーには、各貨物が、どの集配車に積載されるべきかがプログラムされ、ビーコンは、各貨物とその貨物の車両内の位置に関するシグナルを発信し、スキャナーはそのシグナルを感知し、貨物が間違った車両に運ばれると、スキャナーが積み荷係にエラーを通知する。
貨物の積み間違いは、時間とコストのロスになるほか、サービス品質の低下につながり、ビーコンが設置された集配センターでは、こうした積み間違いを事前に防ぐことができる。
同社では、1日あたり約2000万個の貨物や書類を配達しており、プリロード・スマートスキャンにより、貨物の積み間違いを70%削減できると試算している。
UPSの集配車両へのビーコン設置には、技術のカスタマイズが必要で、一般のビーコンではシグナルの範囲が広すぎ、朝の積み荷時に近距離で駐車されるUPS集配車両では、シグナルが車両の側面を通り抜けてしまい、正確な情報が取れない。
この問題を解決するため、業者と協力し、近距離で駐車された集配車両でも使用できるよう、ビーコンをカスタマイズした。
ビーコンでは、シグナル領域が狭められたほか、頑丈なデザインが採用され、バッテリー寿命も長くなり、集配車両のサイズに合わせた設定が可能になった。
UPSビーコンは、年内に全米301か所の施設に設置予定で、全米の28%の施設、47%の集配車両に相当する。今後は、海外での展開も予定している。