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ヤマト運輸/2017年度「デリバリー事業の構造改革」を発表

2017年04月28日/3PL・物流企業

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ヤマト運輸は4月28日、企業価値向上に向けた持続的成長と収益力強化を目的とした、2017年度「デリバリー事業の構造改革」の内容を決定し、発表した。

2017年度「デリバリー事業の構造改革」の目的は、将来にわたって顧客に高品質なサービスを提供し続けるために、その礎である社員がいきいきと働くことができる「働き方改革」を中心に据え、デリバリー事業の事業モデルをこれからの時代に合わせて再設計することを目的とする。

内容は、社員の労働環境の改善と整備、宅急便の総量コントロール、宅急便ネットワーク全体の最適化、ラストワンマイルネットワークの強化による効率向上など。

社員の労働環境の改善と整備

社員の労働環境の改善と整備では、社員がいきいきと働きながら、労働時間を正確に申告、管理できる環境の整備と、ワークライフバランスの推進に向け、新たな施策を決定した。

その内容は、労務管理の改善と徹底として、4月16日より、労働時間の管理を入退館管理に一本化した。さらに、タイムカード機能が組み込まれたタブレット端末を全国の営業所に導入し、入退館時に端末に社員証をかざすことで、始業時間と終業時間の記録と管理が行えるようにする。

また、管理者と点呼執行者を増員し、社員証をかざさないまま、あるいはかざした後に業務を行うことがないよう、労務管理を徹底する。

ワークライフバランスの推進では、4月24日より、顧客からのセールスドライバー(SD)への直通電話を、昼の休憩時間と午後7時以降はサービスセンターに転送するよう、オペレーションを変更した。

また、8月16日から昼の休憩時間中のポータブルポス(PP)の利用を全国で停止する。

宅急便のサービスレベルの変更では、4月24日から当日再配達の受付時間を20時から19時に1時間繰り上げた。また、6月19日からは配達時間の指定枠を見直し、社員の長時間労働の一因となっていた「20時 – 21時」を「19時 – 21時」の2時間枠に、また昼休憩がしっかりと取れるよう「12時 – 14時」の枠を廃止し、これまでの6区分から5区分に変更する。

宅急便の総量コントロール

宅急便の総量コントロールでは、荷物の急増による社員への負担増を回避するため、現状の体制に見合った水準に宅急便の総量をコントロールし、集配体制の立て直しを図る。その上で今後の集配供給能力の強化を図るとともに、大口の法人のお客さまに対する運賃の見直し及び、法人のお客さまに対する運賃契約ルールの統一化を検討する。

大口の顧客への要請として、年間の宅急便取扱量の約9割を占める法人のお客さま、中でもその約半数を占める大口の顧客に、繁忙期の出荷調整や、お届け先への複数荷物をまとめて配達する仕組みの構築、クロネコメンバーズとのデータ連携によるお届け先への事前お知らせ通知など、集配効率の向上や再配達の削減に向けたご協力を、9月中までを目処にお願いしていく。

「法人顧客プライシングシステム」の導入を検討では、法人の顧客の契約運賃の決定プロセスを精緻化・均一化するため、出荷量だけでなく行き先、サイズ、集荷方法や、燃料費や時給単価の変動などの外部環境変化によるコスト変動等を組み込んだ、輸配送のオペレーションコストを総合的に反映できるシステムの構築を検討していく。

宅急便ネットワーク全体の最適化

宅急便ネットワーク全体の最適化では、10月の関西ゲートウェイ(GW)の稼働を契機に、幹線、横持ちを含む、宅急便ネットワーク全体の最適化と維持・運営コストの低減を図る。

厚木・中部・関西 3つのGW間での幹線多頻度運行の実現するために、長大トレーラの導入による輸送力向上、車両の24時間稼働による輸送単価の低減、またGW間の循環型運行による長距離ドライバーの労働環境の改善などを通じ、幹線ネットワークのコストを大幅に圧縮する。

ベース(大型集約拠点)のオートメーション化では、自動ボックス搬送、荷降ろしや仕分けのオートメーション化により、ベース自体の省力化・無人化を進めるとともに、より仔細な行き先毎の仕分けをベースで行うことで、宅急便センターの早朝仕分け作業と人員の最小化を図るなど、ネットワーク全体の生産性向上を実現する。

ラストワンマイルネットワークの強化による効率向上

ラストワンマイルネットワークの強化による効率向上では、SDの負担を軽減するため、宅急便の受け取りチャネルの拡充など、ラストワンマイルネットワークの効率化を徹底して進める。

そのために、オープン型宅配ロッカーの前倒し導入とサービス拡充を目指す。2018年3月までに、1都3県を中心に約3000台を設置する。また、本年6月からはEコマースでの購入時の届け先としてオープン型宅配ロッカーを直接指定することができ、さらに下期には宅急便の発送を受け付ける機能を組み込み、荷物を送ることができるようになる。

ITを活用した集配作業の高度化では、集配拠点の位置データ、配送指定時間データなどを基にリアルタイムにコースナビゲーションを行う「自動ルート組み機能」により、SDが安全に効率よく集配できるツールなどを実装する。

クロネコメンバーズのサービス拡充では、クロネコメンバーズへの会員登録を簡単にすることで、たとえばECサイトでの初回購入時からすぐに「日時変更」を利用できる「お届け予定Eメール」を配信したり、顧客のお届け希望日時や場所の登録を充実させるなど、顧客とのデジタルコミュニケーションサービスの拡充を通じて、より便利な受け取り環境を作っていく。

ラストワンマイルネットワークの効率向上に協力してもらえる個人の顧客への新たな運賃割引の導入では、送り状のデジタル化、宅急便センターへの直送や持ち込みなど、配達効率の向上や再配達の抑制にご協力いただける個人の顧客への割引を拡充する。

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