オンワード樫山は4月9日、新しい物流基盤を創造するため2019年度2月期から、物流拠点を従来の11拠点から4拠点に集約したと発表した。
2018年8月にはEC倉庫も統合し、リアル在庫とEC在庫の一元化を実現する。
物流拠点集約にあたり、千葉に新拠点を設けた。そのほかは、既存の大阪、名古屋(百貨店外流通ブランド対応)、芝浦の物流センターに集約した。
従来、各支店で保管していた実店舗の在庫を集約し、ブランド毎の事業部別在庫に変更し、支店での倉庫業務を大幅に縮小した。
商品在庫をブランド毎のセンターコントロール体制に移行したことで、実店舗とECの商品在庫を一元管理し、販売ロスの削減を目指す。
また、RFIDタグを、持ち越し在庫を含めた全商品に装着し、約1700万枚のRFIDタグを導入した。
RFIDの読み取りゲートを全倉庫に導入し、入庫、出庫、返品の物流業務で活用する。
全商品にRFIDタグを装着したことで、将来的には、店舗での検品、棚卸の省力化につなげる予定で、時間外労働に頼っている棚卸業務の軽減や働き方改革にもつなげる狙いだ。
RFIDタグは1枚約10円程度で、RFID読み取りゲートを全倉庫に導入、投資負担は大きくないという。
オンワードホールディングスの保元道宣社長は、「ECサイトと実店舗の在庫の一元化はスタートに過ぎない。人手不足の問題から、ECでは商品をお客様に届けるまでにボトルネックがあるのは間違いない。ただ、当社は単価の高い商品が多く、商品単価に対する物流費の割合はまだ4%を超えていない。この優位性を生かして、ECを強化したい」と語った。
製紙業界と段ボール業界/RFID活用で配送情報ポータルシステム構築