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物流最前線/オリックス、トップインタビュー

2018年05月08日/物流最前線

適正なマーケットに適正な施設開発

―― オリックスの物流施設開発の基本方針とは。

久保田 今、大きな話題となっているのが人手不足です。すでに、工業団地等では人の奪い合いまで始まっているとのことで、非常に懸念しています。現在、物流施設の大型化が首都圏を中心に進んでおり、10万坪を超えるような超大型の物流施設開発が盛んです。従業員確保はかなり難易度が高いと思います。オリックスはその市場の規模にあった適正な施設開発を進めることを基本方針としています。我々は量も巨大さも追わず適正な市場に適正な物流施設を提供することをポリシーとしています。

―― 巨大な物流施設では、各社とも、そのためにロボット化、IoT化、ICT化に向けた動きや、派遣会社との提携、アメニティの充実などさまざまな試みをしていますね。

久保田 もちろん、ロボット化、IoT化、ICT化による省人化、省力化の試みは大切なことで、我々もグループを挙げて取り組んでいます。ただ現在は、カスタマイズされたものがほとんどで、今後、人力と省人化のカスタマイズと汎用性のバランスが極めて重要と判断しています。

―― 2011年の川越ロジスティクスセンター開発時、「働く人たちの快適なオフィス空間と効率性を重視する」とし、オリックスではすでに女性用トイレやアメニティの充実に焦点を合わせていました。

久保田 そうですね。オリックスは当時からホテルやオフィス、商業施設開発で実績があり、その経験を物流施設にも生かしました。今日のような人手不足でもなく、当時はまだまだアメニティを充実する発想は少なかったようです。女性用トイレの充実は、当時、物流投資事業部に女性だけのチームを業界でいち早く立ち上げていたこともあり、女性らしい視点で取り組んだものです。

―― ロボット化、IoT化、ICT化による省人化、省力化の試みをグループで取り組んでいることとは。

久保田 「オリックスが一体何の会社なのか知っていますか?」というイチローのCMでもおなじみのように、オリックスはさまざまな業種のグループ企業を抱えています。例えば、オリックス・レンテックは測定器レンタルほか、ロボットやドローンのレンタル事業などを行なっており、搬送ロボットやマッスルスーツ、在庫機器類のレンタルを行なっています。東京都町田市にロボットのショールーム「Tokyo Robot Lab.」を開設しています。先日も蓮田ロジスティクスセンターで、ロボット体験会を開催しました。また、物流施設の屋根部分に設置している太陽光発電パネルも、オリックスの環境エネルギー本部が関わっています。

―― 蓮田ロジスティクスセンターのロボット体験会は好評だったそうですね。

久保田 そうですね。単発でやっても効果は難しいので、さまざまな機会を通じてグループとして定期的に、そしてワンランク上の提案を物流業界にしていきたいと思っています。オリックスらしい一例として、オリックスが農作物生産を行っています。生産だけでなく、流通部門も担うようになりました。そうすると、どうしても物流部門も必要になることから、低温物流に強い事業会社へ資本参加しています。青果物倉庫の屋根を借りてソーラーパネルを設置し、売電事業を開始するなど、オリックスグループとしては物流業界の関わりがかなりあります。

<蓮田IIロジスティクスセンター>
20180426orix6 500x300 - 物流最前線/オリックス、トップインタビュー

<松伏ロジスティクスセンター>
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<厚木IIジスティクスセンター>
20180426orix8 500x268 - 物流最前線/オリックス、トップインタビュー

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