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フェデックス/貿易動向調査で日本の中小企業で輸出の重要性が向上

2018年07月10日/調査・統計

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フェデラルエクスプレス(フェデックス)は7月10日、日本を含むアジア太平洋地域の9つの市場において、中小企業の貿易活動に関する調査を実施しその結果を発表した。

<平均収入総額に対する輸出の割合(APAC・2016年調査との比較)>
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前回調査(2016年)と比較すると、日本の中小企業のアジア太平洋地域外への輸出が増加し、輸出先も多様化していることが分かった。

テクノロジー面では、Eコマースが今後の収入増加に貢献するとして注目され、サプライチェーンの効率化のための新たな技術に期待が寄せられていることが分かった。

調査では、日本の中小企業が輸出から得る収入額は平均69万8000米ドルで、全体収入の41%を占めており、2016年の35%から増加しているため、輸出の重要性が増していることが推察されるとしている。

<日本中小企業の輸出先(エリア別)>
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輸出先は、2016年に引き続きアジア太平洋地域が最も多いものの、その割合は98%から57%と減少している。輸入においても、アジア太平洋地域以外との取引が64%にのぼり、輸出入ともに取引先が多様化している。

貿易の懸念事項として、輸出入のどちらにおいても為替の動きを挙げる中小企業が最も多く、貿易相手国が多様化する中で、為替リスクが企業収入に大きな影響を与えるととらえている。

輸出に関する懸念事項についての回答では、顧客開拓を挙げる企業が上位を占める中(3位、27%)、その対応策の一つとして、Eコマースが寄与している。

新規顧客獲得のためにデジタルコマースを活用する日本の中小企業の多くは、今後1年間でEマースによって収益が増加すると見込んでおり(45%)、デジタル活用が更に大きく成長する可能性を秘めている。

日本の中小企業のデジタル活用率は低く、Eコマース利用率は40%、ソーシャルコマースは28%、モバイルコマースは23%に留まる。

利用率はアジア太平洋地域全体の平均の半分以下であり、日本の中小企業がデジタル活用において、他のアジア太平洋地域の市場からは遅れていることがわかる。

物流や配送も、輸出入の懸念事項の上位に挙げられているが(輸出:4位、24% 輸入:2位、25%)、ニューテクノロジーについては、多くの日本の中小企業がサプライチェーンや物流チャネルを効率化するために役立つと回答している(54%)。

ソフトウェアオートメーション、モバイル決済、ビッグデータとそれによる高度な分析がテクノロジーの中でも最も利用されており、アジア太平洋地域の平均と同じ順位となった。

しかし、その利用率は同地域平均よりかなり低く、ニューテクノロジー全体の利用率では日本の中小企業はアジアパシフィック地域の半分以下の利用率(22%、アジアパシフィック地域平均は57%)。

このように、収入の増加やコスト削減のために輸出入の重要性が増大し、輸出入対象国が拡大する中で、為替変動の影響や、新たな顧客の獲得、新たな物流・配送ソリューションやオプションの導入などの様々な課題が生じている。

その中で、Eコマースやニューテクノロジーの活用は大きなカギを握っており、輸出入ビジネスを成功させるポイントとして、更なる成長が見込まれるとしている。

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