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物流最前線 鴻池運輸の物流戦略

2019年08月20日/物流最前線

<導入された自動フォークリフト>

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自動化は最適化、汎用性と瞬発力が必要

―― 人手不足解消で、自動化の動きが盛んです。

鴻池 当然、人手不足解消に外国人採用だけでは十分ではありませんので、ある程度の自動化は必要だと思います。ただ、遠い将来は別にして、今のところは半自動化が現実的なものと考えています。全自動化は、物流の現場や請負業務においては、定型化が難しく、人の手は絶対必要です。時と場合により、汎用性と瞬発力(変化対応力)が必要になり、あまり融通が効かない全自動化では効率的ではないと思いますね。

―― コストと効率化の問題ですね。

鴻池 そうです。常にお客様からのニーズも変わりますし、臨機応変に対応するためには人の手が必要で、自動化というより、AIやIoTを活用して人の作業の最適化を目指すと言うべきでしょう。

―― 御社で今考えられている自動化とは。

鴻池 一例として、倉庫でのフォークリフトの自動化は、すでに一部で実稼働していますが、その結果を分析して良ければ水平展開していくつもりです。また、空港での手荷物のハンドリングでは、現在コンテナからターンベルトへの積み替えはまだ多くの人が行っていますが、手荷物を吸い上げるバキューム型の機器を一部で実験導入したりしています。やはり作業員が腰を痛めることがありますからね。そう言った意味でも、常に新しい技術にはアンテナを張っており、最近では、海外の目利きのベンチャーキャピタルに出資し、新技術の芽を生み出すベンチャー企業を見つけ出すようにしています。

―― トラックの自動化についてはいかがですか。

鴻池 もちろん大歓迎ですが、完全自動化には時間がかかるでしょうね。しかし、ステーショントゥステーションは高速道路の1車線をトラック専用レーン化して、そこを自動化して隊列走行で走らせ、ラストワンマイルは有人にするなどであれば、比較的早期に実現できるのでは。業界を挙げて取り組むべきことです。

――  ライフスタイルの変化にも対応しなければいけません。

鴻池 そうですね。例えばコンビニの24時間営業が話題になっていますが、それが必要な店とそうでない店があるはずで、一様に考えるのではなく、まさに最適な店の運営というものも考える必要があるでしょう。また賞味期限や消費期限の見直しも議論されていますが、そうすれば、1日3便体制で届けることもなくなり、物流にかかる負荷も減り、環境面でも改善されるものと思います。

―― 通販の当日配送、翌日配送等も同様ですね。

鴻池 当然、必要な人のためにそのようなサービスがあるのは良いと思いますが、その分、価格を高くするなどの対応は必要です。送料無料という表現はできればやめてほしいですね。送料無料はあり得ないことですから。

<鴻池社長>

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