物流課題は経営アジェンダ
HacobuとSAPでDX時代を切り開く

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物流業界に様々なアプリケーションでサービスを提供しているHacobuと、多くの企業の基幹システム構築で有名なSAPが手を組んだ。 具体的には配送案件管理サービスMOVO Vista とSAP S4/HANAをAPI(Application Programming Interface)連携し、DX(Digital transformation)推進に向けて、これまでにない高い付加価値を生み出そうというものだ。そこには業界・会社を問わないDX特有の展望も示されている。両社の協業はなぜ生まれ、何を目指し、何を物流業界にもたらすのか。そして課題は何なのか。「2025年の崖」から落ちないためにどうすればよいのか。「目指す山の頂上は同じ」と語った2人、Hacobuの佐々木太郎CEOとSAPのクラウド責任者宮田伸一常務執行役員に対談してもらった。
取材:3月1日 於:SAPエクスペリエンスセンター

注)「2025年の崖」とは、複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存システムが残存した場合に想定される国際競争への遅れや我が国の経済の停滞などを指す言葉

<Hacobuの佐々木太郎CEO>
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<SAPのクラウド責任者宮田伸一常務執行役員>
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協業で大きな価値を提供

――  両社協業の経緯について

佐々木  発端はSAPのアクセラレータープログラムであるSAP.iO Foundry Tokyoに参加してからですね。スタートアップ向けプログラムで、2020年3月から13週間にわたって開催されたものです。そこでどういうコラボレーションができるか、具体的なプロダクトを3か月以内に作り、共同でプロダクトを提案しに行くといった取り組みでした。このプログラム自体は2020年6月に一旦終わりましたが、その後も継続してお付き合いさせていただき、今回本格協業となったわけです。

宮田  私の立場はSAPの中でもクラウドを推進する立場です。企業にいきなり飛び込んでクラウドを説明する方法もありますが、これまでSAPとあまりお付き合いのない業界なり企業は、今回のHacobuさんのように、すでに多くの接点を持っているスタートアップ企業さんと一緒にアプローチするほうが妥当だと判断しました。会社と会社の付き合いの中で、物流部門に関してはHacobuさんとタッグを組んで一緒にやっていこうというものです。

佐々木  SAPさんは基幹システムというオリジンを持ちながら、より広範な情報システムをエンドトゥエンドで提案できるというところに段々ケイパビィリティ(企業の能力)が広がってきたのだと思います。ロジスティクスの仕組みも持っていらっしゃる。我々はかなりロジスティクスの現場に入り込みながら、仕組みを作っていくと、その手前のSAPさんの仕組みと弊社のシステムを連携させることで、顧客に大きな価値を提供できるのではないかということで、ご一緒させてもらっています。

宮田  Hacobuさんとの協業は、簡単に言えばSAPの仕組みだけでは手の届かない部分があり、その届かない部分がHacobuさんにはあるということです。SAPの純正ソフトウェアというのは、企業に必須の情報がリアルタイムにつまっている箱です。しかし、物流現場の、例えば配送の管理とか指示等を出したりする人にとってはもっと細かい情報が必要です。このトラックは空いてるのか、倉庫は空いているのか、ドライバーは足りているのかというような情報は、SAPにはありません。もちろんSAPでもブレイクダウンして、効率化するとか、見える化するとか、もしくはSAP自体が作るという選択肢もありましたが、すでにできあがっているものがあるわけですからね。それも、日本のマーケットに最適化されていますので、それならつないだほうが良いだろうと。それにより、ユーザーメリットも生まれます。

佐々木  実際に顧客に提案した時の、SAPさんとの話のかみ合い方とかがすごく心地よくしっくりときました。ウマが合ったというか。それと、我々のメンバーの中にもERP(Enterprise Resources Planning:基幹系情報システム)システムに詳しいものがおり、SAPさんの話にも大いに同調できましたからね。

宮田  それはありますね。本質的な部分、つまり見ている山の頂上の景色が両社同じだったということだと思います。目的意識が同じだったということでしょう。単にツールを提案している場合でも、顧客の本当にやりたいことを理解し、客のビジネスを良くするために、考えるという姿勢だと思います。それも、単に1企業ではなく、業界全体まで見通した提案を図ろうとする対応に両社が一致したものだと思います。

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