「在庫は持てるだけ持つ」
常識を超える発想力で経営

<中山社長>
20210823trusco9 520x347 - 物流最前線/トラスコ中山、中山哲也社長インタビュー

<ユーザー様直送の新聞広告>
20210823trusco10 - 物流最前線/トラスコ中山、中山哲也社長インタビュー

目指すは業界「最速」「最短」「最良」の物流構築

――  物流DXやプラットフォーム、自動化、物流ロボットといった次世代に向けてのキーワードが物流業界をにぎわしていますが、御社での物流戦略は。

中山  最初に申しました「ユーザー様直送」に全力を挙げていきたいと思っています。問屋がユーザーに直接商品を届けるといった形態をもっともっと拡大していきたいと考えています。物流センターも、愛知県の北名古屋市に大型の「プラネット愛知」を2024年に開設予定です。土地は確保しています。ここでは、総投資額約250億円で最新鋭の物流センターを開設するための準備を進めています。

――  この「ユーザー様直送」ですが、以前、メーカー直送、中抜きといったことが注目を集めたことがありますね。

中山  あれは、現場を知らない方の考えだと思いますよ。弊社では2600社以上の仕入先がありますが、各メーカー1社が対応できるとは考えにくいですね。ですから、当時も何も心配していなかったですね。「ユーザー様直送」は絶対無理でしょうから。

――  先日、名古屋大学との産学連携、GROUNDさん、シナモンAIさんと資本業務提携を行いました。物流センターの自動化を目指しての提携だと思いますが。

中山  これまでは一切外部との提携なしに独自路線でやってきましたが、さすがに今日では物流もデジタルも変化が激しく、ある意味素人では追いつけないなあ、というのがありまして、2社の力を借りまして、物流デジタルの力を高めていこうというものです。うまくいくかどうかはこれからの弊社の動きが重要です。しかし、慎重に慎重にやっても時代に遅れるだけですし、まずはやってみることが大切だと思っています。在庫を増やす時もそうでしたが、想定外の予期せぬメリットが生まれるかも知れませんし。

――  愛知県の新物流センターの開設でも、両社の協力を受けるわけですね。

中山  そういうことになります。両社との提携はトラスコの能力目標を達成するために必要不可欠な物流ロボットとデジタル化の力が必要なためです。弊社の能力目標とは、2030年までに在庫100万アイテムの実現、24時間受注、365日出荷体制、業界「最速」「最短」「最良」の納品、生産現場のプラットフォーマ―になる、ということです。

――  高次元な能力目標ですね。「在庫を増やす」という画期的な改革をされ、さらに次なる改革を進めていこうと。御社を現在の成長基盤に乗せるまで相当苦労されたと思いますが。

中山  そうですね。2代目ということで35歳で社長になり、以来27年経ちます。社長になった時はほとんどが「年上の部下」という形でした。在庫を増やす時も、「配送が注文を取るんじゃない」と営業に言われたこともあります。営業を軽視するなと言うことです。もちろん、営業はビジネスの基本です。しかし、販売施策にしろ、在庫施策にしろ、社内施策を少しずつ改善実行していき、小さな成功を積み重ねていくうちに、周りが変わっていきましたね。リーダーシップとは日本語で指導力と訳されますが、私は「あいつのいうことは正しいと思わせる力」だと思っています。

――  多忙な社長業だと思いますが、ストレス解消法などは。

中山  以前はジョギング、現在はウォーキングをしています。ジョギングしていると頭の中でその日の情景がまるでCD盤の上に現れる感じなんですね。それがジョギングの振動のたびに、情景が変化して、新しいアイデアにつながることが良くありました。仕事で生まれたストレスは仕事でしか解消できないと思っていますので、あまりストレスを感じないようにしていますね。1つの山を越えるときは大変ですが、一度経験していれば、また現れたかという感じで対応しています。

――  最後になりますがLNEWS読者にメッセージをお願いします。読者は物流事業者や、さまざまな業種の荷主企業の経営者から一般社員まで多彩です。

中山 そうですね。 私は「常識のフイを突く」と言う言葉を気に入っています。「そこにビジネスチャンスが潜んでいる。日々の光景に疑問を持ち、流れを変えることにより、社会のお役に立てるサービスが生まれるものと思います。 誰も思いつかないこと、人が進まない道にこそ、成功の扉が待っている」ということです。

<笑顔の絶えなかった中山社長>
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■プロフィール
中山 哲也(なかやま てつや)
生年月日:1958年12月24日生
出身:大阪府
学歴:近畿大学卒業
職歴
1981年  トラスコ中山入社
1984年  取締役
1987年  常務取締役
1991年  代表取締役専務取締役
1994年  代表取締役社長(現任)

■トラスコ中山の数字で見る物流(2021年第2Q)
物流拠点数:27か所 物流センター17か所 ストックセンター10か所
国内物流拠点総延床面積:12万3506坪(約40万7569m2)
在庫ヒット率:91.2% 全受注のうち、在庫から出荷した比率
自社配達便:総配達便数  276台
      自社配達便数 117台
自社配達便率 42.4%
年間ユーザー直送行数 約271万行(2020実績)
災害復旧・復興物資在庫:6か月分以上(通常3か月)

■トラスコ中山HP
http://www.trusco.co.jp/

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