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利便性とスピードに応えた
ラストワンマイル戦略

2022年01月14日/物流最前線

<デリバリーステーションの様子>
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<デリバリーステーションは全国に30か所に拡大>
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DSPとAmazon Flexを拡大中

――  新たに採用された3つのプログラムで利便性を説明されましたが、実際にそのプログラムを実行するインフラについて伺います。

シング  やはりコロナ禍の中、作業体制や内容も変える必要があり、SOP(Standard operating procedure)という標準作業手順というものも、いくつか変更しました。顧客に笑顔と共に、商品を届けるという目的の下、私たちのスタッフや従業員、パートナー配送業者の安全性をも確保することが求められました。
2019年に私たちのデリバリーステーションは東京に1か所だけでしたが、2021年には20か所増えて、28都道府県に約30か所になりました。このことによって多くの雇用または稼働の機会を創出することができましたし、配送パートナーにも雇用または稼働の機会を創出する機会にもなりました。

――  配送を担当するドライバーの仕組みは。

シング  ドライバーには、2種類あり、一つは「Amazon Flex」という個人事業主のドライバーが時間を自由に選べる仕組みで、大体2時間程度から10時間程度ぐらいの稼働時間帯を選べるというシステムです。そして、もう一つが「DSP」つまりデリバリーサービスプロバイダーというプログラムで働くドライバーで、既存の配送業者にアマゾンの荷物の配送サービス体制を構築してもらい、彼らのノウハウを使ってアマゾンの配送業務をサポートしてもらうものです。

――  「Amazon Flex」と「DSP」の割合は。

シング  具体的な割合を数字でお伝えすることは難しいのですが、「Amazon Flex」と「DSP」ともに順調に増加を続けています。規模的に見れば2017年からスタートしている「DSP」が多い状況です。最近では、デリバリーステーションが急速に増えたことにより、「Amazon Flex」のドライバーの配送量も増えていますね。

――  日本の物流事業者では、ラストワンマイルの問題については、EC需要の急増等でドライバー不足が話題になっていますが、基本的な「DSP」についての提携は困難があったのでは。

シング  まず、日本の物流事業者と提携を企画するときに、一番大切なことは、私たちの立場からは顧客の配送体験をどうしたら向上できるかという点です。日本のさまざまなマーケットを見て、そこにいるキャリアを見て、それぞれのコストや品質といった要素を見てから、どこが一番その地域に合っているかというのを考えてから決めています。顧客の視点から「利便性とスピード」のサービスを向上していけるように企画しています。その点からも、パートナー企業には数多くサポートしていただいているので、大変感謝しています。

――  少子高齢化を迎えて確実に労働人口は減り、ドライバーの数も減少すると予測されていますが。

シング  確かに、未来に関してはそのような課題はあると思いますが、ラストワンマイルに関しては、当分は人の手、つまりドライバーの役割が大切です。そこで、ドライバーに対して、どうしたら働きやすい環境の中で仕事ができるか、顧客に最高の体験を提供できて、いかに維持できるかだと思います。働きやすい環境の一つに、いかにして目的地にスムーズに到着できるかがあります。ここで必要なのは、道路状況の把握や混雑度合いをテクノロジーで補うことです。私たちの新しい配送アプリは国内有数のプロバイダーと一緒になって開発しました。今後も、世界のアマゾンロジスティクスの経験、プラス日本での学びを掛け合わせて、ドライバーがより良く仕事が快適になるソリューションを開発していきたいと常に考えています。

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