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NX総研/「経済と貨物輸送の見通し」発表、総輸送量は0.5%減

2023年10月10日/調査・統計

NX総研は10月6日、2023年度の経済と貨物輸送の見通し(改訂)を発表した。

それによると、日本経済は、足元2023年4~6月期の実質経済成長率(季調ベース)は、前期比1.2%増(年率4.8%増)と高成長を達成した。プラス成長は3四半期連続。住宅投資はプラスながら、個人消費や設備投資がマイナスとなるなど、内需は低調。公的需要も微増にとどまる。一方、インバウンド需要の回復を受け、輸出が増加したほか、内需の低迷に伴い、控除項目である輸入がマイナスとなったことから、外需が成長率の押し上げに大きく寄与するとしている。

貨物輸送の見通しでは、国内貨物輸送は2022年度は、消費関連貨物および建設関連貨物の不振を受け、1.6%減と再びマイナスへ反転。2023年度については、前年度における落ち込みの反動もあって、消費関連貨物がプラスに転換するほか、生産関連貨物も小幅ながらプラスを維持。その一方で、建設関連貨物が輸送量を大きく下押し。総輸送量は0.5%減と2年連続の減少となるが、マイナス幅は縮小。一般貨物に限定すると1%強の増加になるとしている。

品類別輸送量(2023年度)では、消費関連貨物は、可処分所得の減少などを背景に個人消費が減速する一方、物価上昇に伴う需要下押し効果は徐々に剥落するほか、前年度における減少の反動もあって、2.4%増とプラスへ反転。夏期における猛暑効果を受け、水物が好調に推移したと見られるほか、日用品や農水産品なども小幅ながらプラスの荷動きになった。

生産関連貨物は、原材料・燃料価格が高止まり、また鉱工業生産にも減少が予測される中で、工作機械などにはやや低調な荷動きが避けられないものの、自動車・自動車部品、鉄鋼、化学工業品などに小幅な増加が期待できることから、通年では0.5%増に。

建設関連貨物は2.7%減となり、総輸送量を大きく下押し。公共投資の増加が予測されるものの、大規模土木工事の執行が期待できないほか、新設住宅着工戸数が減少する中で、輸送量をプラスに押し上げるには至らない。砂利・砂・石材やセメント・生コンなどが不振だった。

輸送機関別輸送量(2023年度)は、JRコンテナは、0.3%増と小幅ながら4年ぶりの増加に。積合せ貨物や自動車部品などが堅調を維持。「物流の2024年問題」も増送を後押しか。JR車扱は、大きなウエートを占める石油が堅調に推移するほか、上期におけるセメント・石灰石の盛り上がりもあって、トータルでは3.5%増に。JR全体では、1.3%増と4年ぶりにプラスへ反転。その他の鉄道は、前年度における大幅減の反動もあり、3.2%増に。

自家用自動車は、大規模公共土木工事の執行が期待できないほか、新設住宅着工戸数にも減少が見込まれることから、大宗を占める建設関連貨物が3%台半ばの減少に。トータルでは3.0%減と低迷。

内航海運は、2.8%減と低調に推移。鉱工業生産の低迷などを背景に、大きなウエートを占める石油製品が減少するほか、鉄鋼や化学製品にも盛り上がりが期待できないことから、生産関連貨物は2%超の減少に。建設関連貨物も4%近いマイナスが避けられず。

国内航空は、復便による供給力の増加が見込まれるものの、輸送量は2.6%増にとどまる。コロナ前(2019年度)の7割強の水準になるとしている。

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