帝国データバンクは11月6日、2023年10月調査のTDB景気動向調査(全国)の結果を発表した。
それによると、2023年10月の景気DIは前月比0.3ポイント増の44.7となり、3か月ぶりに改善した。国内景気は、活発な各種イベントやインバウンド需要に加えて半導体関連などがプラス材料となり、小幅ながら上向いた。今後の国内景気は、海外情勢のリスクを抱えつつも、個人消費と設備投資が下支えし、横ばいで推移すると見込まれる。
また、行楽シーズンを迎え各種イベント開催やインバウンド需要に支えられ、各地の賑わいが好材料となり、10業界中9業界で改善した。地域別では、10地域中7地域28道府県が改善、3地域19都県が悪化した。好調な観光産業のほか、主力産業の生産・販売の上向きが各地域のプラス要因となった。規模別では、「大企業」「中小企業」「小規模企業」が小幅ながら5か月ぶりにそろって改善した。
「運輸・倉庫」は44.1と、前月比 1.3 ポイント増。3か月ぶりに改善。「百貨店、商業施設、小売業等に関する物流が回復」(一般貨物自動車運送)というように需要の増加を実感する声があがった。またコスト増加による影響を受けつつも燃料に係る政府の補助金は一定の効果を与えている。さらに、バス旅行や学校送迎が増加したこと、各所でイベントが復活したことなどは貸切バスやタクシー利用で景気の押し上げ要因となった。ただし、ドライバー不足や燃料価格の高止まりや、2024年問題に対する危機意識が高まりをみせている。
「運輸・倉庫」の現在について、「2024年問題が迫るなか、問題意識が向けられ、追い風になっている。運賃交渉もほぼ一巡し、十分ではないが収益は改善しつつある」(一般貨物自動車運送)。
先行きについては、「国際情勢や物価高による影響。また、人手不足の問題もあり、価格転嫁が進まないなかで人件費が高騰している(こん包)」、「2024年問題が本格化し拘束時間規制、ドライバー不足が顕著に現れると予想」(一般貨物自動車運送)といった声もあった。
TDB景気動向調査/3か月連続で景気改善 運輸・倉庫は過去1年で最高に