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AZ-COM丸和HD/TOB開始時期の延期を改めて否定

2024年04月15日/SCM・経営

AZ-COM丸和ホールディングスは4月15日、TOB(株式公開買い付け)の実施を予定しているC&Fロジホールディングスから質問状に対する回答書をC&FロジHDに提出したと発表した。

回答書では、5月上旬に予定しているTOBの開始時期について、「物流業界の重要な課題に早期に対応する必要性から、本取引(TOBによる完全子会社化)によってシナジーを早期に実現させることが、C&FロジHDの企業価値ひいては同社株主の利益向上に資する」との考えから、現時点で延期する必要はないとした。

AZ-COM丸和HDは、3月21日のTOB実施表明時にもC&FロジHDからTOBの開始を延期するよう申出がなされた場合でも、現時点で開始を延期する予定はないとしていた。

また、TOB実施に際してC&FロジHDの株主を含む第三者との間での意思連絡の有無を問う質問に対しては、TOB表明前に事前の連絡を行っていないとしたうえで、表明の公表直後からC&FロジHDの複数の大株主や取引先に対してTOBに関する説明を行っており、これらの株主や取引先から「TOBの実施に対して否定的な反応は示されておらず、むしろ物流課題解決への取り組みに対する期待の声等、好意的な意見も寄せられている」と回答した。

完全子会社化によるC&FロジHDの大口顧客であるメーカーや食品卸・問屋の離反リスクを問う内容については、買収後も現場のオペレーションを含めC&FロジHDの現行の体制を継続することを想定しており、取引先との取引に変化は生じないとし、「具体的な取引先の離反リスクは想定しておらず、仮にあっても非常に限定的」であると見解を示した。

また、買収後も食品卸・問屋との取引関係の継続が可能であると判断した根拠については、AZ-COM丸和HDが食品卸・問屋とも通常の物流の現場で密に接点を持っており、これらの企業に対して「AZ-COM Matsubushi」プロジェクトに対する懸念を示されたことや、離反リスクと認識されるような発言がなかったことを根拠に挙げた。

そのうえで、「AZ-COM Matsubushi」の仕組みで、食品卸・問屋の価格競争力が強化されることにより、食品卸・問屋には取引量増加による売上高増加や輸配送の省力化によるコストダウン等のメリットが生じ、これらは流通の効率化によるデメリットを十分に上回ると、改めて買収によるシナジーを強調した。

和佐見氏によるC&FロジHDの保有がインサイダー取引規制に抵触する可能性があるとした質問に対しては、最後の株式取得日が約2年前の2022年3月31日で、C&FロジHDとの経営統合についてAZ-COM丸和HDで検討を開始したのは同日よりも後であることから、インサイダー取引規制その他の法令に抵触する可能性はないとした。

加えて、和佐見氏が保有するC&FロジHDの株式は物流業界の活性化等を目的として、同社の林原 国雄 元社長から事前に了承を得た上で取得したものであるとしており、事後にC&FロジHDの買収を行う足がかりとする意図で取得したものでないと明言した。

和佐見退任後の後継者候補の不在を懸念する問いについては、現在、中長期での経営体制の安定を図るべく「社長育成プログラム」を運営するなどの対応を行っており、外部コンサルタントによる指導のもと、プロパー社員やM&Aで参画したグループ企業の役員を含めた経営幹部に対して、座学やグループディスカッション等を通じて、能力の育成や資質の評価等を行っているとした。

AZ-COM丸和HDで、取締役会が和佐見氏の監督を十分かつ実効的に果たすことができていることを示す実例を問われたことについては、取締役11名中4名に独立社外取締役を選任している取締役会が経営陣に対して適切な監督を行っており、社外役員を含む全ての取締役と監査役に対して外部機関によるWebアンケートでの調査、回収、集計、分析を行い、取締役会の実効性は確保されているとの評価結果を得たこと。また、内部監査室による内部監査の実施や、リスク管理委員会、見積・契約審査委員会、投資委員会といった各組織による監督体制が適切に構築・運用されていること等を根拠として挙げた。

今後もAZ-COM丸和HDは、C&FロジHDがTOBへの意見表明を行うために必要な情報を提供すべく、同社からの質問に対して誠実かつ適時に回答するとしている。

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