村田製作所は5月20日、ヨーロッパ最大のタイヤメーカーであるMichelin社とタイヤ内蔵用RFIDタグ及びRFIDタグのタイヤ組み込みに関するライセンス契約を締結したと発表した。
これにより、村田製作所のタイヤ内蔵用RFIDタグを全世界のタイヤメーカーへ提供することが可能になり、工場や倉庫内におけるタイヤ管理に加え、物流・アフターマーケットでのメンテナンスや品質トレーサビリティに貢献する。
日本国内においては2024年問題でのトラックドライバー不足の深刻化により、トラックドライバーによる納品や検品といった配送外業務の負担軽減が求められている。また、欧州ではすでにESPRやデジタルプロダクトパスポート制度といった環境施策の推進により、製品の情報取得や管理・点検の効率アップ、トレーサビリティの担保が重要視されている。そこでタイヤ業界では、RFIDタグ活用によるライフサイクルを含めたタイヤの管理とその効率化が期待されおり、タイヤへのRFIDタグの搭載が進められている。
なお、ESPR(Eco-design for Sustainable Products Regulation)とは、製品設計段階で耐久性、修理可能性、再利用可能性などのエコデザイン要件を適用した設計を生産者側に求める規則。デジタルプロダクトパスポート制度とは製品の持続可能性(使用されている原材料や製造元、リサイクル性、解体方法などの情報)を記録し、追跡を可能にする制度。
村田製作所とミシュランは、以前より共同でタイヤ内蔵用RFIDタグの開発に取り組んでおり、このたび、ミシュランが保有するタイヤ内蔵用RFIDタグの特許及びRFIDタグのタイヤ組み込みに関する特許を対象としたライセンス契約を締結したもの。今回のライセンス契約締結により、村田製作所の第4世代リンクレス構造RFIDタグを全世界のタイヤメーカーへ提供することが可能になる。2025年1月以降の量産出荷を予定している。
商船三井/日本海事協会のInnovation Endorsement認証を取得