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日立製作所/アズワンとサプライチェーン最適化基盤構築の検討開始

2024年08月26日/SCM・経営

日立製作所とアズワンは8月26日、サプライチェーン全体の最適化を支援するシミュレーション基盤の構築に向けた検討を開始したと発表した。

<サプライチェーン最適化シミュレーション基盤のイメージ>
20240826hitachi1 - 日立製作所/アズワンとサプライチェーン最適化基盤構築の検討開始

すでにPoC(概念検証)に着手しており、今年9月末まで、複数の物流センターおよび代表的な品目を対象に各種データを活用し、基盤導入によるアズワンユーザーの利便性向上の効果検証を実施する。

基盤は、サイバー空間上にサプライチェーン全体をモデル化(デジタルツイン化)し、再現することにより、受注から調達・出荷・配送までの各種データを活用した施策評価や日々の最新データを加味した高精度な計画の自動立案を行う。

具体的には、市場環境の変化に追従した需給調整案や輸送条件の変化などに即応した物流拠点変更案などの施策評価、仕入先への生産要求や適切な在庫計画などの自動立案が可能。なお、基盤は、流通業や製造業などに導入実績がある日立のLumadaソリューション「サプライチェーン最適化サービス」を活用している。

アズワンと日立は、物流の2024年問題もあり、輸配送での無駄の排除を喫緊の課題とし、自社だけではなくサプライチェーン全体を捉えて検討する必要があると考え、基盤の構築に向けた取り組みを開始した。さらには、アズワンは受注・発注・出荷・売上などの膨大なトランザクションデータに加え、1000万点を超える取扱商品のデータベースなどのさまざまなデータを保有しており、それらの活用による業務の高度化をめざしている。2025年度中にそれらのデータと基盤を連携させ、全拠点・全品目を対象としたサプライチェーン全体の最適化をめざす。

<日立の「サプライチェーン最適化サービス」の概念図>
20240826hitachi2 - 日立製作所/アズワンとサプライチェーン最適化基盤構築の検討開始

日立は、これまでのサプライチェーン改革のノウハウを活用した、サプライチェーンにおける標準的な業務ロジックを取り揃えている。顧客は、自社の業務に合う業務ロジックを選択するだけで、容易にサプライチェーンのモデルを構築することが可能。従来、数か月を要していたサプライチェーンの仮想モデルの構築時間を大幅に効率化し、早期に運用を開始することができる。

モデルには顧客特有の業務ロジックも柔軟に組み込むことができ、現場業務の状況にあわせた精度の高いシミュレーションを実現する。また、日立独自の高速シミュレーションエンジンを採用することで、品目数が膨大で複雑なサプライチェーンにおいても、短時間でのデータ分析を可能にし、日々の変化に対応するサプライチェーン全体の最適化を継続的に行うことを支援する。

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