日本郵船は8月23日、船長・機関長が船上の現状や課題について曽我貴也社長ら役員と意見交換を行う社長・船機長懇談会(懇談会)を東京都千代田区の本店で開催した。
懇談会には、下船中の船長2名・機関長3名、役員25名、社員186名の他、太平洋を航行中の自動車専用船DAISY LEADER(デイジー・リーダー)とばら積み船SHOYO(ショウヨウ)からそれぞれ船機関長1名ずつがStarlink(スターリンク)を使用してオンライン参加した。
懇談会では乗組員の労働安全、海技者の育成やエンゲージメントの向上、船上でのDX(デジタル・トランス・フォーメーション)活用やLNG燃料船への対応など多岐にわたる課題について活発な意見交換を行った。
特に船員の働き方改革や若手海技者の育成について、船機関長から活発な提案がなされた。DXやITを活用した労働時間の削減や業務負荷の低下が心身の健康と安全対策に直結する、若手海技者に自分の頭で考えて社外の専門技師と議論する機会を与え成長に役立てるなどの意見が出された。曽我社長は「船内においてもDXを活用した業務合理化を積極的に進め、余裕と魅力がある職場環境になることが我々の望む姿だ」と総括した。
なお、懇談会は、同社の安全キャンペーン「Remember Naka-no-Se」の一環で、経営陣と現場の心理的距離感を縮め、意見を言いやすい職場環境を育むことで、安全活動の実効性を高めることを目的としている。「安全・環境対策推進委員会」の委員長である社長をはじめとした役員と、船舶運航の現場で指揮を執る船長・機関長が直接意見交換を行う場として、毎年実施している。