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中国の日系物流業調査/子会社数は「日本通運」が最多、地域では上海に集中

2024年12月19日/国際

リスクモンスターの子会社利墨(上海)商務信息咨詢(リスクモンスターチャイナ)は12月19日、利墨リスモン調べ「中国における日系物流業の市場動向」を発表した。

<中国日系物流業の親会社別企業数ランキング トップ10>
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「利墨リスモン調べ」は、リスクモンスターチャイナが独自に収集した中国の日系企業データベースや業界情報を基に、調査・分析を行ったレポート。今回は、2023年3月時点で開示されていた中国全土の法人登記情報の、日本企業出資の中国企業及びグループ企業2万7968社のうち、運輸・倉庫・郵便業に分類される1016社を対象に調査を実施したもの。

今回の「中国における日系物流業の市場動向」では、中国に進出している日系物流業について、親会社ごとの企業数、地域別の分布、企業数の推移など、多方面から調査している。

<中国日系物流業の細分類業種分布>
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日系の物流業に対して、日本の親会社と紐付けた企業数をもとにランキングを作成したところ、1位「日本通運」(45社)、同順2位「日本郵船」「伊藤忠ロジスティクス」(34社)、4位「山九」(33社)という結果になった。

また、企業数を細分類業種別に集計したところ、「複合一貫輸送・運送代理業」(466社、45.9%)が最も多く、続いて「倉庫業」(292社、28.7%)、「道路運送業」(164社、16.1%)となった。

「複合一貫輸送・運送代理業」のうち、9割超の428社が「運送代理業」に所属しており、中国日系物流業においては、運送代理業務に従事している企業が最多であることが分かった。

<中国日系物流業の企業数推移>
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<中国日系物流業の地域別企業数ランキング トップ10>
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企業数の推移・地域分布に注目すると、中国の日系物流業は、1981年から中国に進出して以来、企業数は増加の一途をたどり、特に2000年以降に急激な増加を見せている。しかし、近年では増加傾向を維持しつつも、2011年からは成長率がやや鈍化している。

地域別の分布は、「上海」(381社、37.5%)に最も集中しており、「広東省」(134社、13.2%)、「江蘇省」(130社、12.8%)と続き、3地域で全体の6割以上を占めている。

地域別企業数ランキングのトップ10に入る地域のうち、「北京市」「湖北省」を除く8地域は中国の沿岸地域に位置しており、特に東部に集中しています。国際物流を主軸とする日系物流業は、世界、特に日本と直結する交通インフラの利便性は欠かせず、港湾の利用が前提となるため、東部沿岸地域に企業数が集中していると考えられる。

近年、人口減少や経済成長率の停滞により、中国国内の需要拡大が鈍化する中、多くの中国企業が国外市場への進出を急いでいる。その結果、2023年の中国の港湾貨物取扱量は170億トン(前年比+8.2%)に達した。そのうち輸出入貨物取扱量は50億トン(同+9.5%)を占め、国外との交易は拡大している。

この傾向は、海外市場の物流に関する豊富な経験やネットワークを持つ日系物流業者にとって、中国企業の海外展開を支援する新たなビジネスチャンスとなる可能性がある。2023年の日中貿易総額は3180億米ドル(前年比-10.4%)と、過去最高だった2021年から2年連続で減少しているが、今後、新たな収益事業を見出すことで、中国市場でのさらなる事業拡大も期待できるのではないか、と分析している。

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