商船三井グループは2月6日、経済産業省資源エネルギー庁2023年度「洋上風力発電人材育成事業費補助金」における補助事業者の公募において、「運用・保守管理向け訓練設備事業」および「自動船位保持装置搭載作業船の操船訓練事業」の2件の公募採択を受けたと発表した。
洋上風力発電の「運用・保守管理向け訓練設備を通じた人材育成事業」では、商船三井は、北海道旭川市の風力発電メンテナンス専門企業・北拓と共同で、洋上風力発電の実用的な運用・保守管理に特化した訓練設備を建設し、洋上風力発電分野の人材育成をはかる。
具体的には、日本で初めて実機の風車基礎を使用した訓練設備で、洋上風車の基礎部分にあたるトランジションピース(以下、TP)実機を2024年度末までに北拓 北九州支店の敷地内に建設する予定。北拓が有するメンテナンスに関するノウハウ蓄積と、洋上風力発電事業で先行する欧州の事例を参照し、洋上風力特有のリスクを想定したメンテナンストレーニング(下図参照)を実施する。
受講対象者は、北拓の自社メンテナンス技術員だけでなく、日本国内の洋上風力発電メンテナンスに関わる全ての人、新規参入する若い人材や企業、社会人。同設備が立地する北九州市では、2011年から洋上風力関連産業の「総合拠点」をめざした「グリーンエネルギーポートひびき」事業が展開されており、洋上風力バリューチェーンの構築が進んでいる。同設備の導入を機に、より密接に北九州市や地元企業とも連携の上、洋上風力発電事業を推進する。
洋上風力発電事業に従事する「 DPS(自動船位保持装置)搭載作業船の乗組員に対する操船訓練事業」では、商船三井のグループ会社であるMOLマリン&エンジニアリングは、ダイナミック ポジショニング(以下、DP)シミュレーターを活用したトレーニングセンターの訓練コースを拡充し、洋上風力発電設備の建設や運営で必要となるDP操船要員の育成と拡充を進める。
両社は、DPオペレーター認証を持つ船員(航海士)、同等の技量を持つ作業船操船要員、DP船メンテナンス認証を持つ船員(機関士)、同等の知識・技術を持つ保守整備要員の人材育成に広く取り組むことで、今後増加が見込まれる洋上風力事業の各分野における作業船の安全運航や、工事作業の安全性確保、更に国内における技術の高いDP操船要員の確保・育成に寄与していくとしている。
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