ESRは10月7日、兵庫県伊丹市高台の「ESR伊丹ディストリビューションセンター」(伊丹DC)が9月30日に竣工したと発表した。
「伊丹DC」は敷地面積1万6986m2(5138坪)・延床面積2万9999.68m2 (9072坪)の地上4階建てマルチテナント型物流施設。ESRの物流施設として全国で34件目、関西圏では5件目 の竣工プロジェクトだ。
「伊丹DC」は京都市から神戸市の消費地を結ぶ国道171号線に面しており、尼崎市と池田市を結ぶ県道13号線(尼崎池田線)にも近接している。また、阪神高速道路11号池田線「池田IC」から3.5km、中国自動車道「中国池田IC」から4.3kmと、アクセスが非常に便利。
さらに、国内物流のハブである大阪国際空港(伊丹)から約5km、車で15分の距離に位置しており、日本全国から2時間でアクセス可能な臨空都市の利点を最大限に活かせる拠点だ。
このように「伊丹DC」は、充実した高速道路網と臨空の利便性を背景に、大阪市中心や北摂エリア、神戸市、京都市などへのラストワンマイル配送、関西圏のみならず日本全国への広域配送など、あらゆる物流ニーズに対応可能な関西圏屈指の希少な物流拠点としている。
建物は耐震構造のボックス型で、1階の両面にトラックバースを備えている。トラックバースは北側は高床式、南側は低床式のハイブリッド仕様を採用しており、使い勝手の良いレイアウトが可能。
また、大型車両と普通乗用車の出入り口を分けることで、安全性に配慮した出入庫オペレーションを実現している。さらに、大型車両の待機スペースを8台分確保しており、効率的な物流運営をサポートする。
最小賃貸区画は約2700坪で、1階を3区画に分け、2階から4階の各階1フロアを組み合わせた2層使いの仕様で、最大3テナントへ賃貸が可能。各区画には、積載5トンの荷物用エレベーターと2基のダブルパレット専用垂直搬送機が備えられており、高い縦搬送能力を実現している。床荷重は1階が2.5トン/m2 、2階から4階が1.5トン/m2で、梁下有効高は5.5m、柱ピッチは間口11.0m×奥行10.5mを確保している。これにより、幅広いニーズに対応できる物流運営の汎用性と保管効率を重視した設計となっている。
ESRは「HUMAN CENTRIC DESIGN.」を基本理念に、同社施設で働く「人」にとって快適で安全性の高い職場環境とサービスの提供に力を注いでいる。建物のエントランス前にはスロープと優先駐車スペースを設け、館内にはバリアフリートイレなどバリアフリー設備を備え、車いすユーザーや障害のある方にも配慮している。また、駐車場から直接アクセスできるドライバー専用の休憩室、トイレ、喫煙所を完備している。
さらに「伊丹DC」では、周辺住民やそこで働く方々の利便性を考え、敷地の一部に屋根付きのバス待合所を新設した。停留所にはJR福知山線「伊丹」駅および阪急電鉄伊丹線「伊丹」駅から豊富な便数の路線バスが終日運行している。また、JR福知山線「北伊丹」駅から「伊丹DC」までは徒歩での通勤も可能だ。
環境への取り組みとして、「伊丹DC」では、全館LED照明や環境配慮型照明システム、ヒートポンプ式空調、節水型衛生器具などを採用。これらの施策により、環境や省エネルギーに配慮した持続可能な物流施設としてCASBEE Aランクを取得。BELS5スター、ZEBの取得も予定されている。
建物の屋上には太陽光パネルを設置予定で、自家消費型太陽光発電設備の規模は約700kWを見込んでいます。さらに、景観の向上も目的に屋上緑化も取り入れています。
BCP(事業継続計画性)対策としては、非常用自家発電設備を備え、停電時でも、防災センター機能や倉庫の照明、荷物用エレベーター、フォークリフト用充電コンセントの一部、トイレなどが一定時間使用可能な保安用電源を確保している。
■施設概要
名称:ESR伊丹ディストリビューションセンター
所在地:兵庫県伊丹市高台4-8-1
敷地面積:1万6986m2(5138坪)
延床面積:2万9999.61m2(9075坪)
構造:地上4階建て /鉄骨造 耐震構造
工期:2023年10月1日~2024年9月30日
設計:塩浜工業東京本社一級建築士事務所
施工:塩浜工業
アクセス:【車】 阪神高速道路11号池田線「池田IC」より3.4km/中国自動車道「中国池田IC」より4km
【電車】JR福知山線「北伊丹」駅より1.4km(徒歩17分)/阪神電鉄伊丹線「伊丹」駅1.7km(バス6分)
大阪国際空港(伊丹)5km/大阪市中心部20km/神戸港33km
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