イースタン・カーライナー、川崎汽船、商船三井、日本郵船、Wallenius Wilhelmsen ASA、日本海事協会が加盟する Global Ro-Ro Community(GRC)は、物流セクターにおける温室効果ガス(GHG)の削減を目指す国際的なNPO法人「Smart Freight Centre(SFC)」の主導のもと、自動車専用船などのRo-Ro船におけるGHG排出原単位に関する算定ガイドラインを発表した。
このガイドラインによって共通の算定方法を導入することで、荷主はScope3排出量を正確に把握できるようになり、海運業界の脱炭素化をより一層促進する。
加盟6者はSFCが主催するGRCに参加し、Ro-Ro船に関わるステークホルダー(海運会社、荷主)および第三者検証機関等による公正性と透明性を確保した開かれた議論のもと、GHG排出量算定の標準モデルを策定した。この標準モデルは国際的な枠組みであるISO 14083およびGLEC(Global Logistics Emissions Council)フレームワークに準拠したもので、2025年3月にアムステルダムで開催されたSFCの年次イベント(Smart Freight Week)にて発表した。GRCが提示した標準モデルをもとに、現在はSFCのウェブサイト上でガイドラインとして公開されている。
今後SFCは船舶単位での環境性能に関する実データ収集と業界としての高精度な平均排出原単位の公開を予定している。この取り組みは、グローバルな物流の脱炭素化に向けた業界横断的な第一歩を示すものであり、地球温暖化対策の推進に貢献する。
なお、近年、自社製品やサービスのライフサイクルを通じた炭素排出量(カーボンフットプリント)への関心が高まっている。しかしながら、これには課題も伴っており、特に海上輸送でのGHG排出量の正確な測定や、個別の算定方法によって生じる差異が問題となっていた。
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