上野グループの海運会社である上野トランステックは10月23日、日本政策投資銀行(DBJ)および日本海事協会(ClassNK)が共同で運用する「Zero-Emission Accelerating Ship Finance(ゼロエミッション・アクセラレーティング・シップ・ファイナンス)」に基づき、同社が保有する水素燃料実証船大型油タンカー「輝光丸」に対してClassNKによる評価を受け、最高ランクの「S評価」を取得したと発表した。
これを受け、DBJよりプログラムに基づく融資が実施された。内航船としては初めてプログラムを活用した事例だ。
評価にあたっては、(1)「水素燃料レディ船」として、将来的に水素燃料を使用するためのコンセプト設計がなされているだけでなく、さらに具体的な準備として、水素燃料貯蔵タンク及びタンクを搭載する区画の配置に関連する安全要件を満たした船体構造も有している点。(2)リチウムイオン蓄電池(バッテリー)の搭載により燃料消費量の最適化が図られている点、が高く評価された。
結果、プログラムにおける「脱炭素・環境配慮性能・先進性が特に高いと評価できる船舶」として、相応の環境関連投資がなされていると認める最高ランクのS評価を取得したもの。
なお、プログラムは、脱炭素化に向け環境規制が強まる海運業界において、DBJとClassNKが共同開発した総合スコアリングモデルにより、「脱炭素・環境配慮性能・先進性」という観点でClassNKが船舶の評価を実施し、DBJが投融資を提供することで、海運事業者の脱炭素への移行に資する取り組みをIR面・資金面から支援するもの。
■水素燃料実証船大型油タンカー「輝光丸」
船名:輝光丸 (IMO番号:1015595)
船種:油タンカー
貨物積載量:約5000kl
建造造船所:福岡造船 長崎工場
BERTRAND/統合・自動化プラットフォームのCeligoと戦略的提携
