project44/2025年のグローバル海上輸送コンテナ取扱量は13%減少

2025年12月10日/国際

project44は12月9日、半期レポート「海上輸送概況レポート(2025年版)」で、2025年が関税ショックや抜港(予定されていた寄港をとりやめること)や航路の変動に揺れつつも、回復の兆しが見え始めた一年であったことを明らかにした。

<海上輸送概況レポート(2025年版)>
20251210project1 - project44/2025年のグローバル海上輸送コンテナ取扱量は13%減少

それによると、関税、労働争議、地政学的リスクが世界中の貨物流動を直撃し、グローバルサプライチェーン全体に深い構造変化への対応を迫ったことを明らかにしている。

世界のコンテナ取扱量は年初来で13%減少し、米国の中国からの輸入は27%減少した。一方で、輸送モードや市場をまたぐ俊敏性、多様化、デジタル連携に支えられた新たなレジリエンスの兆しもデータから読み取れるとしている。

米中間の関税エスカレーションが海上輸送フローを大きく変える中、キャリアは数百件の航海キャンセルを行い、太平洋横断航路の運航キャパシティの再配置を行った。欧州向け航路でも、インフレ下での消費需要の低迷と大型メガシップ(超大型コンテナ船)の導入により供給力と需要の不均衡が拡大し、その結果として抜港が増加した。

一方で、荷主、特に製造企業および小売企業は中国依存を低減するためにソーシング戦略の見直しを加速し、迅速に適応したことが見受けられる。その結果、インドネシアおよびタイから米国への輸入は30%以上増加し、一方で中国-米国航路は27%減となるなど、調達・輸送パターンの再編が進んでいる。project44のデータが示しているのは、世界貿易の縮小ではなく、その再配分という実態だ。

変動が続く中でも、回復と再調整の兆しが見られる。パナマ運河では干ばつからの回復によりコンテナ取扱量が37%増加し、状況が安定すれば航路がいかに迅速に回復し得るかを示した。一方、スエズ運河は地域紛争による不確実性の影響で依然として低調で、グローバルロジスティクスの脆弱性を浮き彫りにしている。

これらの変化を総合すると、調整と多様化を続けながら、実際の業務面でのオペレーショナル・レジリエンスの姿が再定義されていく動的なネットワークの実像が浮かび上がってくるとしている。

■project44海上輸送概況レポート(2025年)
https://shorturl.at/WppNu

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