シービーアールイー(CBRE)は10月31日、2013年第3四半期の賃貸物流施設の市場動向を発表した。
首都圏の2013年第3四半期の空室率は、第2四半期比で1.6ポイント上昇し、4.3%となった。
今期竣工の4棟のうち2棟は計画段階からテナントが確定、1棟も急速にテナント募集が進捗し、日本最大級規模のロジポート相模原も当初の見込みどおり約60%稼動で竣工したことで、大方の予想と比較して空室率の上昇幅は小さかった。
<首都圏大型マルチテナント型施設 空室率>
<首都圏 募集賃料>
今期の需要面積は2004年の調査開始以来3番目の水準となり、稼動面積も大きく増加した。
特に埼玉県三郷市・千葉県柏市エリアでは、賃料水準が比較的割安で東京中心部へのアクセスも良いことから需要を吸引し、まとまった募集空室はほとんど無くなっている。
オーナーサイドが自信を深めており、賃料面では契約更改時だけでなく新規契約時の実効賃料でもやや上昇基調がみてとれる。相模原・厚木エリアにおいても、今後の供給・競合物件が多い中現状を維持している。
今期はスーパー・コンビニエンスストアやドラッグストアを初めとして、アパレル・服飾品、家具、携帯電話関連といった一般消費者向けの小売店舗業態の需要が目立った。
物流拠点の配送見直しの動きは、日配と言われる食品・日用品から家電・精密機器等の業種にも浸透してきている。
その目的はコスト・資産管理、配送システムの近代化、BCPなど企業によりさまざまではあるが、高スペックな物件の供給が3PL会社の先進的な物流システムに活躍の場を与えて潜在的な需要を引き出し、その成功がさらに次の需要を喚起するという好循環が生み出されている、と分析している。
<近畿圏大型マルチテナント型施設 空室率>
<近畿圏募集賃料>
近畿圏の大型マルチテナント型物流施設の空室率は既存物件のリーシングが進み、1.0%に低下した。2012年Q1に記録した空室率0%の状況に近づいている。
次の大型開発・グッドマン堺(2014年3月竣工予定)は着実にリーシングが進み、誘致は順調と伝わっている。以前は物件が建ち上がった後に段階的にテナントが決定するのが通例であり、近畿圏のマーケットでここまで早い時期にテナント決定するのは異例のことである。
マルチテナント向け大型物件として3年振りに昨年5月に竣工したプロロジスパーク大阪4は、反響が大きく半年で大半の誘致が進んだが竣工時の稼働率は10%程度だったことを思い起こすと、テナントの動きに変化が認められる。
賃料面でも再契約時は上げて契約する例が多くなり、募集賃料ではばらつきがあるものの新規契約時の成約賃料では下がる要因はほとんなく、今後は上昇基調で推移する、と予想している。
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