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DHL/2019年前までに中小企業の収益、最大50%が海外の見込み

2014年11月13日/調査・統計

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DHLは11月13日、Economic Intelligence Unit(EIU) との報告書「国境を超える:カナダから中国へ、障壁の拡大が中小企業の成長に影を落とす」を発表した。

それによると、世界の中小企業の大半が世界市場での成長機会を伺っており、5年後の2019年には収益の最大50%が自国外からもたらされると予測している。

一方、中小企業経営者480名と世界の企業ロビー活動専門家は、グローバル展開には依然として大きな壁が立ちはだかっていることも指摘している。

中小企業経営者は、グローバル展開が長期的な成長で必要不可欠と十分認識している。一方、進出先国の政情不安や文化の違い、不十分なインフラなどへの懸念が、グローバル展開
での成長期待度を上回っていると回答している。

加えてG72諸国の中小企業の約69%が現在国際貿易を行っているのに対し、BRICM3諸国の中小企業は46%に留まっていることも明らかとなった。

進出先国の政情不安、文化の違い、不十分なインフラに加え、現地でのプレゼンス確立にかかるコストなどが、グローバル展開に二の足を踏む要因として挙げられている。

具体的には、「進出先国の文化・言語への理解が市場理解に重要、もしくは非常に重要」と回答した中小企業経営者は84%に上り、それを実証するかのように、多くの中小企業が自国と類似した市場へ進出している。

注目すべき点として、BRICMの中小企業の15%がロシア、中国、インド、南アメリカといった新興国で事業を展開している一方、G7諸国の中小企業ではわずか3.6%に留まり、代わり
に先進国で活発に展開していることも挙げられるとしている。

中小企業にとって、中国は依然最も魅力的な成長市場として存在している。市場の大きさ、中国政府による集中的な経済政策が成長に有利な状況を整えていることが、進出を後押ししている要因としている。

文化の違い、不十分なインフラ、現地でのプレゼンス確立など、中国と商取引する際にも他国進出時と同様の問題が存在するため、慎重な計画策定と優れた市場参入戦略の検討が必要不可欠。

また、中小企業が未だアフリカへの進出を躊躇している現実も明らかとなった。G7、BRICM の中小企業経営者の約40%がアフリカでの成長機会は全く見込めないと回答しており、実際、政情不安や不十分なインフラを考慮して、アフリカ進出を取りやめている。

その結果、アフリカ市場は潤沢な資金と政治力を有する多国籍企業と国営企業の手の内に収まっているのが現実としている。

調査は、拡大戦略に関して、中小企業にとってパートナーシップが重要であることも指摘している。グローバル展開を標榜するG7諸国の中小企業の大半は、新たな市場でのプレゼン
ス確立と、コストを抑えることを目的として、卸業者、再販業者、すでに確立されたネットワークを持つパートナー企業と共に事業を行う意向を示している。

一例として、他企業の既存小売ネットワークに便乗し、アフリカのサブ・サハラマーケットへ参入する企業など、多くの革新的アプローチが存在していることも明らかとなったとしている。

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