マルチもBTSも顧客の要望の結果
―― 開発の形の基本戦略は。
永井 マルチテナントかBTSかは、あくまでもエンドユーザーの希望に沿った結果です。どの土地が売りにでるかの予測は難しいですし、コントロールできるものではありませんので、エンドユーザー各社さんとのコミュニケーションを常時行うことで、常に土地とニーズをマッチングできるようにしています。どういうニーズがあるのか、またそのエリアの分析を行うなど情報として蓄え、リーシング部隊と土地を取得するアクイジション部隊が情報の共有を図り、対応しています。ですので、顧客から話があればBTSかマルチテナントかに関わらず、確実に応えていける体制です。
―― アメニティについては
永井 力は入れていますが、あくまでも倉庫は基本性能が最も大切な部分です。それは、立地であったり、床であったり、天井高であったり、電気容量であったり、最も効率的で使い勝手の良い倉庫施設の提供が大切だと思っています。顧客が選ばれる際にアメニティが決定打になることはありません。
―― ロボット化についての開発ではどのような変化がありますか。
永井 やはり電源の確保と床の品質だと思います。電源の確保は、容量とともに、その配分や配線などさまざまな要素があります。また、BCPの観点から非常電源として自家発電を設置するなど、非常時の対応についても工夫をしています。さらに、ロボットの導入を含めて、機械化する場合、床の平面性が問われます。ロジポートの床の平面性は業界No1と自負するほど、自信を持っています。ミリ単位の誤差しかありません。
中嶋 床のクオリティを上げるために、ノウハウをため、改良に改良を重ねています。まさに、弊社では「床に命」をかけています。
―― 開発エリアの選択は。
永井 やはり、大都市圏の東京、大阪、名古屋が中心になります。消費面から考えれば、自然だと思います。
―― 冷凍・冷蔵倉庫の開発に注目が集まっています。
中嶋 2006年にすでに冷凍・冷蔵倉庫の開発実績があり、ノウハウは蓄えています。今年8月にもBTS型冷凍冷蔵倉庫である関東運輸狭山物流センターを着工しました。BTS型の提供が多いとは思いますが、マルチテナント型も有り得ますので、今後積極的な展開を図っていきたいと思っています。
―― 共同開発も活発です。
中嶋 何もかも弊社だけで開発するつもりはありませんし、とても無理です。業界の他社さんとも協力しつつ、一緒にこの市場を発展させていくことが大切だと思います。
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