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ヤマト運輸/路線バスを活用した「客貨混載」で農水産品を海外へ輸出

2017年09月15日/SCM・経営

ヤマト運輸と宮崎交通は9月15日、日本で初めて保冷専用BOX搭載の路線バスを活用した「客貨混載」で国際クール宅急便も輸送し、 農水産品を海外へ輸出すると発表した。

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宮崎交通とヤマト運輸は、西都市~西米良村を結ぶ路線バスによる「客貨混載」と国際クール宅急便の輸送スキームを組み合わせ、高品質な農水産品を鮮度を保ったまま海外へスピーディーに届ける。

取り組みの第一弾として、商社として香港で宮崎県の農水産品を輸入するNANA FARMを通じ新たな商流を創出し、西米良サーモンを香港の日本食レストラン「元気一杯」へ翌々日に届けることで、物流との両輪で付加価値を高め、生産者等のさらなる販路拡大の支援に取り組んでいく。

取り組みの内容は、ヤマト運輸のセールスドライバー(SD)が、井戸内養魚場から西米良サーモンを集荷し、西米良村のバス停留所「村所」で路線バスに積み込む。

宮崎交通のドライバーが西都バスセンターでSDに引き渡し、SDが県内のヤマト運輸の物流ターミナル(宮崎ベース)へ発送する。

ヤマト運輸は宮崎ベースから宮崎空港と羽田空港を経由し、那覇空港へ輸送する。

那覇空港でヤマト運輸が輸出の通関手続きを行った後、香港空港へ輸送し、到着後、香港ヤマト運輸(香港ヤマト)の物流ターミナル(香港ベース)で荷物を仕分け、現地のSDが届ける。

取り組みによる効果として、宮崎交通、ヤマト運輸には、保冷専用BOXを搭載した路線バスを活用し、国内のクール宅急便に加え、国際クール宅急便も輸送することで、新たな収入源を確保し、バス路線網の維持や物流効率化を支える持続可能なビジネスモデルの構築につながる。

井戸内養魚場には、国内および国際間の一貫保冷小口輸送により、海外のレストラン等へ高品質な西米良サーモンを鮮度を保ったまま安心安全に出荷できる。また、今回の取り組みにより香港での販路拡大につながり、西米良サーモンを広くPRできる。

NANA FARMには、香港で宮崎県の農水産品を輸入する商社として商材が増えることで、香港の現地事業者との取引拡大につながるとともに、 宮崎県の特産品をさらにPRすることができる。

宮崎交通とヤマト運輸は、バス路線網の維持と物流の効率化による地域住民の生活サービス向上を目的に、2015年10月から西都市~西米良村を結ぶ路線バスで「客貨混載」を開始し、2016年6月には延岡市~高千穂町、日向市~諸塚村に取り組みを拡大した。

2017年1月からは西都市~西米良村に保冷専用BOXを搭載した路線バスを導入し、クール宅急便で西米良村特産の西米良サーモンなどの輸送を開始することで、生産者等の国内での販路拡大の支援にも取り組んできた。

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