物流最前線/サトーホールディングス、トップインタビュー

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コネクテッド時代の幕開け、繋がることがコア(核)

―― IoTの進展がさまざまな連携・協業を生んだと。
松山 「人・モノ・情報をつなぐ最後の1㎝」を担うのがサトーの役割と考えています。IoTにより、現場から収集される膨大な情報を誰もがリアルタイムで入手し、利活用できるようになりました。しかし、情報と実際のモノが一致していないと、現実の世界でモノ・人とも動かず、IoTによるサービスは機能しません。IoTの最も困難なラストワンマイルは、リアルとバーチャルをつなぐこと(情物一致)で、大切なことはタギングです。そこを最後の1㎝と呼んでいます。

―― タギングとはIDを付けて認識させるということですか。
松山 そうです。我々はこれを、IoTの時代に重要な「信頼できるスモールデータ」と呼んでいますが、これだけでは全体最適はできないので、今回、JDAやJBCC等と提携・協業したわけです。サトーの役割はタギングによってビッグデータを生み出すためのスモールデータを収集することなのです。そして完成したデータをAI等を使って分析・解析して顧客にフィードバックしていこうということです。

―― コネクテッドを標榜する企業が多くなりました。
松山 多くの企業で、これまで、コネクテッドはスローガン程度でした。サトーではモノにIDを付けることはずっとやってきましたからね。例えば、今はモノに位置情報を付けることをやっています。倉庫内のモノ、人、フォークリフト等に位置情報を付け、そこから倉庫業務の作業導線(動線)を管理する「Visual Warehouse」というソリューションで、計画系やベンチマークに役立てています。こうした「現場の真の見える化」につながるデータの蓄積ソリューションがなければ、どんなに高品質なプリンタを持っていても、JDAやJBCCとの提携・協業は難しかったでしょう。全体の仕組みをつなぐのは、サプライチェーンの計画・実行ソリューションや倉庫管理システムを提供されるJDAやJBCCで、我々はそこに、現場での「人やモノと情報」のタギングでお手伝いができると考えています。今後はより、人・モノと情報がつながる。また企業と企業がつながることが当たり前になり、つながっていることが前提となってシステムは構築されていくものと考えています。まさに、本当のコネクテッド時代の始まりです。

―― そうすると今後も提携・協業は続くと。
松山 つなぐことは1社ではできませんからね。特にWMS系のソフトウェア会社との提携・協業は重要で現在も積極的に進めています。

―― ロボット系の企業とは。
松山 ロボットは今後の需要や進展からすれば、とても大切な要素です。AIやロボットは自社で開発するわけではないので、ロボット開発会社と提携・協業していくつもりです。すでに、一部のロボットメーカーとはラベルの分野で仕組みを作っています。スモールデータを提供しビッグデータにつなぐことで、より良いソリューションが提供できるものと考えていますが、そのためには、もっともっとスモールデータの精度を上げていくことが我々の課題ですね。RFIDも、出てきた当初、個体識別できること、非接触で一括で読み取れることなど、概念的には理想的なモノでしたが、実際は金属の干渉、水に弱い、コスト面の問題等で停滞したときもありました。しかし、人手不足の進行もあって、今やさまざまな場面で使用されるようになってきました。

―― RFIDはすっかり社会に浸透しました。
松山 例えばユニクロさんも店鋪だけで使うのではなく、川上からずっと使って全体最適を図っています。工場から消費者まで、モノの動きをトレースできるわけですから、RFIDのメリットが最大限に生きてきます。今後、製・配・販が連係して、消費者にもメリットがある展開にしていけばRFIDは物流革命の1つの切り札になるかもしれません。

―― 提携・協業ではなく、直接M&Aのケースもありました。
松山 2017年1月の英国DataLeseの買収ですね。特殊な感熱顔料をコーティングした素材に高速でレーザー印字できる素材技術です。倉庫のSKUを減らす事もでき、出荷直前の情報もパッケージ上に反映できるなど、IoT時代との親和性も強く、買収を決めました。本来なら、ラベルメーカーでもあるサトーがラベルが売れなくなるようなことはやらないですよね。しかし、ここは最後の1㎝をつなぐタギングの部分なので、我々の担うべきところだと判断して行ったものです。

<DataLeseのインライン・デジタル・プリンティング>
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