三井不動産は5月21日、MFLPのブランドで開発しているロジスティクス施設開発について、その先進性と快適性を「MFLP茨木」と「MFLP船橋II」で解説した。
MFLP茨木は2017年9月竣工で延床面積約24万m2の日本最大級の物流施設だ。竣工後約半年で満床になっている。
ハード面では、働く従業員の休憩場所として、施設屋上に「スカイデッキ」を設けている。ここからは遠く、大阪中心部まで見渡せるという。さらに、シンボルツリーを配したスカイラウンジも設置。
また、アートや水景施設を施したエントランスも設置。デザインは三井不動産の高級マンション「パークマンション」のデザイナーが手掛けたものだ。
震災時の影響を最小限に抑える「免振構造」はもちろんのこと、倉庫内最上階には倉庫内空調を設置している。倉庫内での夏の暑さは上階が厳しいことから、設置したもの。従業員の健康面を考えてのもので、三井不動産では、今後費用は別にして、全館空調施設が普通になるものとみている。
ソフト面では、単なる食事をするスペースではなく、温かい料理が提供できるようにカフェテリア内に食堂サービスを開設している。従業員獲得には、入居企業サポートのために、「アイデム」と連携。求人サイトを無料で用意している。相互のスタッフ募集サイト上に、リンクバナーを設置、相乗効果をアップさせている。
さらに、近くにある「ららぽーとEXPOCITY」との連携による従業員割引サービスの提供も行っている。
このようなハードとソフトの展開で、KDDI、関西NOK販売、KUHNE+NAGEL、GLASEL、三井倉庫ロジスティクス、J.B.などのテナントにより、契約率は100%だという。
新たな取り組みとして、MFLP船橋IIでは、最上階集約オフィスを採用している。従来は各階に倉庫と事務所があったが、事務所だけを分離して、最上階に集約しようというものだ。
テナント間の交流、イノベーティブなワークスペースの提供、そして眺望の提供だという。各階には必要に応じて最低限の事務所を残しておく予定だ。
さらに、空調設備を全館に実装する試みを行っている。
三木孝行ロジスティクス本部長は「物流は変革期、物流施設も変革期を迎えている。物流に関しては後発だが、当社はこれまで商業施設の開発を数多く行ってきており、ある程度物流施設と商業施設は親和性があると思っている。例えば土地に関しては道路が整備されているとかだ。物流施設の一番大切なことは、立地。あくまでも、交通の便と従業員確保に有利な土地に開発を進めている。ICT、AI、ロボットなどの活用はあくまで補完的なもので、人間があくまで主役だと考えている」と話した。
三井不動産、日鉄興和不動産/25.6万m2の物流施設にかける思い