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日立物流が描く次世代物流 Domoでデジタル基盤整備

2019年11月19日/物流最前線

<日立物流のデジタル事業基盤全体の機能構成図>

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プラットフォームの環境基盤整う

――   コスト的にはどうでしたか。

佐野 データマネジメント基盤とダッシュボード開発の外部委託に比べれば、ほぼ5分の1程度のコストにまでは今の所見通せています。Domoはオールインワンで、BIツールと比べてもずっと簡単ですし、満足しています。

――   導入においての問題点などは。

佐野 今のところDomo導入においては、大きな問題はないです。ただ、Domoでできる部分とそれ以外の部分については、分けて使っていますね。Domoは集めたデータを可視化できるように、見せる部分に力点を置いています。私たちが分けたのは、違うシステムにデータを送る必要があったからです。

――   違うシステムとは。

佐野 例えば倉庫の売上データが来た場合、このデータを使って、SAP(会計管理システム)に計上しなければなりませんし、勘定系なら支払い処理連携もしなければなりません。日立物流にはシステムtoシステムが多くあります。Domoではこれらをビジュアル化する要素を中心に利用しますが、一方でシステムtoシステム専用に利用する部分を持たないといけません。さらに、Domoは顧客にも解放されますので、セキュリティ上、社内向けデジタル基盤の部分を持っておく必要があります。社内の根幹のデータまで外部につながってしまうと、セキュリティの観点では望ましい環境ではありません。

――   使い方のコンセプトが違うということですか。

佐野 そういうことです。「堅牢・性格」と「簡単・スピーディ」を両立したデジタル基盤はなかなかないと思います。社内からも好評ですが、ライセンス・コストはかさみましたね。Domoが導入できたことから実現したとも言えます。

――   これは日立物流のプラットフォームになりますね。

佐野 そうですね。これまでは、それぞれの案件単体にシステムを構築していたのですが、Domoにより、汎用性のあるプラットフォームとして活用できるので、コスト的にもBIツールを入れてシステムを構築する場合と比べ、100分の1程度になるものと推測しています。これから新しいサービスを生み出していくための基礎の部分ですから、この上にLOGISTEEDでの新たなサービスが稼働することになるのです。

――   開発において苦労された点は。

佐野 開発・導入の8か月のトレーニング期間において、しっかりとした要員を育てることができました。自前でやろうとして導入しようとしたわけですが、日立物流の技術力は大幅に成長しましたね。全員がエース級に成長しています。SI(SystemIntegration)企業からも人を貸して欲しいという要望も来ていますし、他の物流会社からの問い合わせも非常に多いですね。

――   日立物流のデジタルトランスフォーメーションに関わる要員の人数はどのくらいですか。

佐野 それぞれ経営戦略部門や営業企画部門、そして私のいるIT戦略部門という中で活動しています。営業統括本部の中にデジタルビジネス推進部、デジタルビジネス開発部、スマートロジスティクス推進部、ロジスティクス・テクノロジー部があり、それぞれ20〜30人、グループ会社の要員も含めると、約150名くらいですね。

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