物流最前線 分社化やM&Aで新たな富士ロジを構築

2020年02月25日 

<「物流はもっと稼げる産業にしないと」と語る鈴木社長>

「物流はもっと稼げる産業にしないと」と語る鈴木社長

人が集まらない根本は労働需給バランスによる給与の額

―― このところ物流業界に限らずあらゆる分野で人手不足が叫ばれています。

鈴木 現場の課題は分社化した社長に任せているので具体的なことは分かりませんが、ある程度の情報は入ってきます。しかし、少子高齢化による人手不足や青年層の減少、免許取得の減少等が根本的な要因として挙げられていますが、私はちょっと考え方が違います。

―― 違った考えとは。

鈴木 一時テレビCMでカード会社が「お金で買えない価値がある」と流していましたが、労働問題こそは「お金で解決しないといけない」課題です。仕事の大変さと賃金が見合っていない産業で人不足は顕著です。

―― 物流企業も仕事と賃金が見合ってないと。

鈴木 その傾向はあると思いますね。ある業種に人が集まらないというのは、その業種にお金が集まっていないということです。物流事業に対してお金が集まってなければ、当然そこから発生する従業員の給与にも影響しますね。社会的に産業の必要性を認知いただけるように、我々自身で知恵を使って発信し続ける必要があります。例えば、今長距離トラックドライバーに月500万円という給与を支払うことにすれば、それはそれで全国からドライバーが押し寄せてくると思います。きつい仕事に対しての対価の水準から、トラックドライバーという職種が今は人気がなくなっているだけで、それにふさわしい給与を支給すれば不足は解決すると思います。しかし、今日そんな給与を出せる企業はなく、人手不足はすべての経営者を悩ます課題です。しかし、本質的には物流に関するどのような業務にも今以上の給与を支払うことができれば、問題は解決していくはずだと思います。

―― それができないから困っているわけですね。

鈴木 そうです。そのためには物流をもっと稼げる業種にしていかなければなりません。ただ、物流企業に限らす、介護事業、小売りサービス業、中小の工場等は働き手が集まりにくいと聞いていますが、これも労働に対する対価が低いからという側面もあると思いますし、また、これらの職種に対して、3Kの職場といったように、過去のイメージが引き続き残り、それが社会全体の圧力となり、同調圧力となるので、なかなか変化しないとも思います。

―― 確かに、高度経済成長時代の物流というのは、3Kの職場であり、物流費はコストという考え方が強かったようです。

鈴木 しかし、今やそれではダメで、物流事業者も荷主も一緒に課題を解決していく仲間なんだという考え方が浸透してきています。戦うべきは物流業者対荷主の構図ではなく、その荷主企業が社会のニーズを物流事業者と連携して突破する、という構図です。パートナーシップという言葉で表されていると思います。

―― ラストワンマイルの問題についても新しい方向性が出ていますね。

鈴木 過疎化の農村・山間部で、都会と同じように即日配送が均一料金で運営できるのかどうか、本当に必要なのかどうか。貨客混載や宅配BOX、ドローンなどあらゆる方策が実行されています。経済合理性によってそれぞれの解がこれから出てくると思います。

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