現場から社会を動かし、未来をつなぐ
―― パナソニック コネクトの事業はサプライチェーンに公共サービス、生活インフラ、エンターテインメントetc…と多様な業界に及んでいます。これらに共通するものとは。
一力 まず、パナソニックは今年の4月にホールディングス化しています。我々の立場からすると事業会社化ですね。例えば車ならパナソニックオートモーティブといったように事業の単位で法人化しています。パナソニックコネクトはBtoBソリューションの領域を担当する事業会社です。
―― 特定の業界に特化していないのですね。
一力 そうですね、横軸で業界横断的に事業を展開しています。ただ、ハードとソフトの2軸を持っていて、ハードはプロジェクターやノートPCの「レッツノート」など、ソフトはサプライチェーンマネジメントのサービスを展開しており、全体として法人向けのソリューションを扱っているというのが当社事業の共通項になっています。
それと、当社ではパーパス(存在意義)として「現場から 社会を動かし 未来をつなぐ」というものを掲げており、これが提供する製品やサービス全てに共通しています。ハードもソフトも、提供する全てのソリューションが社会の未来や持続可能な社会に貢献していくことを念頭に作られています。
―― 事業範囲が広いですね。
一力 一見すると広いようですが、実際は我々が貢献できる領域を定めています。例えば、サプライチェーンマネジメントのソリューションは物流や流通の中でも当社の強みを生かせる領域にターゲットを絞っています。
―― 一力さんが所属している現場ソリューションカンパニーでは、どういった事業を展開しているのですか。
一力 現場ソリューションカンパニーは、プロジェクターもレッツノートも、放送局向けの機材やシステムまで、当社で提供しているものをソリューション事業として展開しています。それぞれの業界や顧客の皆様の課題解決をするのが現場プロセスカンパニーです。その中で新規事業として育てようとしているのが、サプライチェーンマネジメント(SCM)のソリューションです。
―― それが大阪の彩都パーツセンターやこちらのカスタマーエクスペリエンスセンターで展示している「現場最適化ソリューション」ですね。
一力 そうです、現場最適化ソリューションも現場ソリューションカンパニーの中の一事業ですね。それ以外にも現場ソリューションカンパニーでは、流通業の経営マネジメント変革や、IE(インダストリアル エンジニアリング)とDX(デジタル トランスフォーメーション)による経営マネジメント変革も手がけていますし、放送局向けのシステムを提供する部門もあります。社内の事業部や社外の製品を組み合わせて顧客に提供するのが現場ソリューションカンパニーの役割です。
―― エバンジェリストというのはどのような役職なのですか。
一力 当社もさまざまな事業領域や技術領域を持っていて、顔認証やR&D(研究開発)といった各部分にそれぞれの専門家が在籍しています。その専門家が会社から認定されることで「エバンジェリスト」となるわけです。エバンジェリストというのは日本語で言うと「伝道師」です。より良い社会づくりへ貢献できる新しい概念を外部に発信していくのが仕事です。
エバンジェリストの役割は大きく2つあって、1つはこうした伝える活動にあたる部分で、私であれば「IEとDXによって社会を良くしていく」という役割を持っています。もう1つは、新たな概念を発信したうえで、相手に対してパナソニック コネクトとして何ができるかといった価値を伝えていくというものです。「IE×DX」という概念は我々が作ったものなので世の中には存在していなかった概念ですが、それがどれだけ社会に貢献して世の中に役立つかということを伝え、パートナーを作っていくというのがエバンジェリストの仕事ということですね。
物流最前線/日本郵便の五味執行役員に聞く2024年問題、協業を進める狙いとは