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自社現場で実証の技術
IE×DXで物流現場最適化

2022年10月04日/物流最前線

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パナソニックグループでBtoB事業を展開するパナソニック コネクトが物流現場の課題解決に乗り出した。同社現場ソリューションカンパニーでは、物流にIE(インダストリアル エンジニアリング)という製造業特有の技術を取り入れ、AIによる作業の可視化とあわせて現場の課題解決を図る「現場最適化ソリューション」を提供している。同ソリューションを主導する現場ソリューションカンパニー 現場最適化ソリューション事業本部の一力 知一(いちりき ともかず)エグゼクティブコンサルタント/エバンジェリストに、製造業の技術を用いた物流現場の改善手法を伺った。
取材:8月23日 於:パナソニック コネクト カスタマーエクスペリエンスセンター

<カスタマーエクスペリエンスセンター>
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<一力 知一 エグゼクティブコンサルタント/エバンジェリスト>
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標準化なきDXはムダを生む

――  物流現場ではDX化の取り組みが思うように進まないケースが多いと聞きます。原因はどこにあると思いますか。

一力  ここ数年、物流会社の方から相談を受ける機会が増えていますが、現場で起こっている問題に対して本当の課題を把握することにとても苦労されているのを感じます。例えば、人手不足の相談を受けた際に「そもそもこの業務は何人必要なのか」を割り出すことすら非常に難しいです。本来であれば、実際に何人が必要で、それに対して何人足りないかが分かっていて初めて人手が不足していると言えるのですが、人手不足と言っている場合の多くは忙しい中で漠然と「人手が足りない」と感じているケースが多いです。

DXが上手くいかないのは、標準化がされてない、つまりは基準がないことに理由があります。実際、DXをするにあたって業務プロセスの標準化が必要であると分かってはいても、標準化するための手法がそもそもありませんでした。そこにIEの概念を取り入れることではじめて標準化が可能になり、DXも効果を発揮できるようになります。

――  製造業の現場では標準化が当たり前にできているのでしょうか。

一力  製造業でもできてない現場は沢山あります。標準化するというのはとても難しい事です。その標準化で最も先行しているのがトヨタ自動車です。彼らのTPS(トヨタプロダクトシステム)は標準化の塊ですよ。標準化するというのは、それ自体が凄いノウハウです。

ロボットやシステムを導入する場合でも、標準化することではじめて効果を最大化することができます。逆に、標準化をしないままでロボットやシステムを導入すると、かえって余計な作業が増えることにもつながりかねません。ですので、業務プロセスをまずちゃんと定量化し、目指すプロセスがどうあるべきかを定めて、それができない課題を見つけ、その課題をデジタルなどで解決していくという流れが大事なのです。

――  無駄を省くつもりがかえって無駄な作業を増やしてしまうのですね。

一力  そうですね。製造業以外では「無駄」というとネガティブワードに聞こえますが、製造業では無駄を「宝の山」という風に認識しています。製造業では無駄は、「ムダ」というカタカナで表現してそのような意味を与えています。ムダは改善の余地であって、改善することでコストが低下し、そこにお金が生まれるのでその分儲かりますから。製造業以外でもムダという言葉をもっとポジティブなイメージに変えることができればと思っています。「あなたの作業がムダです、そこを改善しましょう」と言われたらヘコむじゃないですか。ですから、ムダを発見したら「やった、宝の山を見つけたぞ」と認識し、経営効果が沢山でると認識することで心も穏やかになります。

――  現場改善で重要なことは。

一力  データを情報に変えていって、標準化、最適化をずっと繰り返して、継続的に利益を出していくというのがとても重要だと思っています。一時的に改善をすることはそれほど難しくありませんが、環境が変化していく中でも継続して利益を出し続けるというのは本当に難しいです。可視化、標準化、最適化のサイクルを繰り返していき、より高い目標値をクリアできるようにする。そしてそれを繰り返す。作る物、運ぶ物、売る物といった環境が変わっても目標値を維持し続けるというのはとても難しいことです。

――  改善活動には終わりがないですね。

一力  そうですね、これが製造業の考え方で、最適はゴールではないんですよね、最適化した瞬間にまた悪くなるというのが製造業の考え方です。なぜなら、環境はどんどん変化するのでそうなります。ですから、我々の概念では「最適化されている」という状態は存在しないんです。

――  なかなかそれを一言で理解してもらうのは難しそうですね。

一力  それを伝えることがエバンジェリストの仕事です。これからもこちらのカスタマーエクスペリエンスセンターや大阪の彩都パーツセンターのほか、さまざまな場所での講演などを通して、物流にIEを取り入れることでどれだけ良い効果が生まれるかということを伝えていきたいと思います。

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