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NX総研/2023年度の国内貨物輸送量0.5%減見込む

2023年04月05日/調査・統計

NX総合研究所は4月5日、「2023年度の経済と貨物輸送の見通し(改訂)」を発表した。

<荷動きの実績(見込み)と見通しの『荷動き指数』(速報値)>
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それによると、2023年度の国内貨物輸送の総輸送量は0.5%減と予測している。

消費関連貨物は、消費者物価の上昇による個人消費の伸び悩みを受けて、通期で小幅増にとどまる。

生産関連貨物は、鉱工業生産の伸び悩みなどを受けて通期では微増に。建設関連貨物は、公共投資に増加が予測されるものの、大規模土木工事の執行が期待できず、また新設住宅着工戸数も減少するため1%台半ばの減少になる見通し。

品類別の輸送量をみると、消費関連貨物は個人消費が減速するものの、2022年度の大幅減の反動などから0.7%増とプラスへの反転を見込んでいる。価格の高騰を受け、日用品、食料工業品、農水産品などにはやや低調な荷動を予測している。

生産関連貨物は、世界経済の先行き不透明感が払拭されないことに加え、原材料・燃料価格の高止まり、さらには鉱工業生産の伸び悩みが予測されることなどから、通年では0.1%の微増に留まる見通し。鉄鋼、化学工業品は低調、一般機械や自動車も伸び悩むと予測している。

建設関連貨物は、公共投資に小幅なプラスが予測されるものの、大規模土木工事の執行が期待できないほか、新設住宅着工戸数が減少する中で、輸送量をプラスに押し上げるには至らず、1.5%減に。建設業界における人手不足も懸念材料に挙げている。

輸送機関別の輸送量では、JRコンテナは2022年1~3月期以降緩やかな回復基調に戻り、通年では1.6%増と4年ぶりの増加を見込んでいる。積合せ貨物や自動車部品などは堅調を維持するとしており、物流の「2024年問題」が増送を後押しすると見込んでいる。

JR車扱は、天候に大きく左右される可能性もあるが、大きなウエートを占める石油に減少が予測される中で、2.8%減と盛り上がりを欠く展開になると予想。JR全体では0.2%増と4年ぶりにプラスへ反転するとしている。

国際貨物輸送では、2023年度の外貿コンテナ貨物の輸送量として輸出1.8%増、輸入1.0%増を見込む。輸出は、世界経済が下期にかけて減速緩和・回復基調に転じ、荷動きも緩やかに復調することや、海上輸送混乱や港湾混雑の収束・正常化による押上げもあり、2年ぶりにプラスへ転じる見通し。輸入では、物価上昇や円安基調による下押しが続く中で、消費財の荷動きが伸び悩むと予想している。

国際航空貨物の2023年度の輸送量は、輸出が1.8%減、輸入が0.6%増と予測している。

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