F－LINEは8月16日、2023年6月から同社が推進するF－LINEプロジェクト中長距離輸送対応チームの取り組みとして、カゴメと日清製粉ウェルナによる「中継リレー輸送」を開始したと発表した。また、ハウス食品とMizkan（以下、ミツカン）についても「中継リレー輸送」のテスト運用を開始した。
同プロジェクトは、食品物流の諸課題に対して食品メーカー協働で検討するプラットフォームで、2015年に発足した。参加メーカーは、味の素、カゴメ、日清オイリオグループ、日清製粉ウェルナ、ハウス食品グループ本社、ミツカン。
カゴメと日清製粉ウェルナの事例では、従来、カゴメは関東エリアの工場から中部エリアの倉庫へ、日清製粉ウェルナは中部エリアの倉庫から関東エリアの倉庫へそれぞれ製品を輸送していた。今回の取り組みでは中部エリアからのトラックと関東エリアからのトラックが中間地点である静岡県の新東名高速道路・清水パーキングエリアで落ち合い、ドライバーはトラックを交換して元のエリアへ戻り製品を納品する。
＜カゴメと日清製粉ウェルナの事例＞
また、ハウス食品とミツカンの事例では、従来、ハウス食品は製品を関東エリアの工場から中部エリアの物流センターへ輸送し、中部エリアの物流センターからは関東エリアの物流センターへ別の製品を輸送していた。ミツカンもハウス食品と同様に、関東エリアの物流センターから中部エリアの物流センターへ製品を輸送し、中部エリアの物流センターからは関東エリアの物流センターへ別の製品を輸送していた。
＜ハウス食品とミツカンの事例＞
＜中継地でのドライバーによるそれぞれのトラックの鍵の受け渡し＞
今回、関東、中部それぞれのエリアで2社の製品を混載したトラックが中間地点である山梨県の中央自動車道・双葉サービスエリアで落ち合い、ドライバーがトラックを交換して元のエリアへ戻り製品を納品する。これら2つのモデルとも、中間地点でのトラックを交換する「中継リレー輸送」を行うことにより、従来は一泊二日の運行を行っていたドライバーは宿泊することなく、自宅に日帰りできるようになる。また、積載率の高い状態での輸送が可能になることで、いわゆる「帰り荷」の問題についても解消される。
F－LINEプロジェクトの中長距離輸送対応チームでは、他のルート、荷主での「中継リレー輸送」についても検討を進めている。また、中継リレー輸送以外でも幹線輸送の課題について、鉄道や船舶を活用した取り組みも始めている。同社は間近に迫った2024年問題を克服すべく、今後もF－LINEプロジェクト参加各社との連携を強化していく。
