三井物産、三井化学、IHI、関西電力は8月30日、大阪の臨海工業地帯を拠点とした水素・アンモニアのサプライチェーン構築に向けた共同検討に関する覚書を同日付で締結したと発表した。
今後、覚書に基づいて、大阪の臨海工業地帯でのアンモニアの受入、貯蔵、供給拠点の整備などを検討していくほか、関西・瀬戸内地域での利活用先の拡大に向けた調査などに取り組む。また、利活用先候補の一社として、電力事業のカーボンニュートラルへの挑戦を表明している神戸製鋼所との協議を開始する。
水素・アンモニアは、燃焼時にCO2を排出しないなど、カーボンニュートラルの実現に向けたエネルギーの一つ。また、アンモニアは肥料・工業用途向けに既に生産・輸送・貯蔵の技術が確立していることから、発電分野での燃料利用や産業分野での熱利用など幅広い分野で活用が期待されている。
覚書を締結した4社は、三井物産がアンモニアの日本向け輸入トップシェア、三井化学が堺・泉北臨海工業地区に化学プラントを保有、IHIが広範囲なアンモニア関連技術でバリューチェーンを構築、関西電力が関西地域でエネルギー事業を展開しており、同取り組みを通してそれぞれの経験や知見を結集し、ゼロカーボン社会の実現に取り組んでいくとしている。
