オイシックス・ラ・大地は8月31日、投資子会社Future Food Fundの運営するフードイノベーション領域に特化したCVCファンド「Future Food Fund 2号」が、ラストワンマイル物流に特化した物流ソリューション事業を展開するエニキャリへ投資を実行したと発表した。
Future Food Fundは、食領域を中心としたスタートアップ企業へ投資を実行することで、より多くの人がよりよい食生活を楽しめる未来をつくることを目的としている。
エニキャリは設立以来、シェアリングモデルでの物流サービスの提供により解決に取り組んでおり、地点情報を基にする自動配達アサインシステムや配達員スマホAPPなどのシステム開発力と直接雇用中心の配達網を提供できることに強みがある。
特に食関係の物流は、温度管理と即時性が求められることに加え、クイックデリバリーなどの外食は需要時間が限定されることから、配送コストのコントロールが課題だが、エニキャリは3温度帯(常温・冷蔵・冷凍)への対応と自社開発のシステムによる他の配送と組み合わせた効率的な配送、自社雇用の配送網による雨の日でも止まらない物流インフラの提供を実現している。
ECやクイックデリバリーは、コロナ禍の社会変化によってサービスが拡大・普及した一方、物流の担い手不足やカーボンニュートラルへの対応などさまざまな課題を抱えている。また、2024年問題の影響で、何も対策を講じなければ2024年度に14%、2030年度には34%の輸送力不足の可能性が懸念されており、今後は物流の品質や適正価格が維持できなくなることが懸念されている。
オイシックス・ラ・大地では、多様な価値観で食へのニーズはロングテール化が進んでいく中で、物流モデルの構築がその実現に向けた重要な要素となることから、エニキャリの物流インフラを活用しながら、食の流通に関する知見やノウハウと機会を提供することで、ともに事業成長を目指すとしている。
ヤマトHD/80億円規模の新CVCファンド設立、新領域に投資