近鉄エクスプレスは12月8日、国内資源循環による脱炭素社会実現に向けたプロジェクト「FRY to FLY Project」に参画したと発表した。
同プロジェクトは、家庭や飲食店などから発生する廃食用油を再利用し、CO2排出をライフサイクルで約80%削減するとされる持続可能な航空燃料(SAF)で航空機が飛ぶ世界の実現を目指すもの。日揮ホールディングスを事務局として、11月時点で70の企業・自治体・団体が参画・連携し、廃食用油収集の促進やSAFへの活用に関する教育・啓蒙活動を行っている。
近鉄エクスプレスでは、自社サプライチェーン上での温室効果ガス(スコープ3排出)削減の主要な手段として取引先航空会社のSAFプログラムに積極的に参画しているものの、未だ日本国内での安定したSAF生産と供給には程遠い状況。
また、個人消費者を含む全てのステークホルダーの積極的な関与によって廃食用油を安定的に回収する環境づくりが急がれることから、同プロジェクトを通して廃食用油収集の推進やSAFの活用を啓発し、同燃料の将来的な安定調達の実現につなげる。
日本国内では毎年約10万トンの廃食用油が一般家庭で、また約40万トンが飲食店などで発生
。飲食店などで発生する廃食用油の大部分は有価物として取引され、主に飼料用や工業用にリサイクルされているが、一方で家庭から出る廃食用油の大半はリサイクルされることなく廃棄されている。また、日本国内で回収された約10万トンの廃食用油が海外へ輸出されており、国内でのリサイクルの仕組みが求められている。
近鉄エクスプレスでは、今後も2050年のカーボンニュートラルに向けて自社の排出削減に取組むとともに、こうした社会活動へ積極的に参画し、脱炭素に向けた気運醸成に寄与していくとしている。
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