SMBC日興証券、日本郵船、BANQは12月9日、高等専門学校(高専)の学生が企業の持つリアルな課題解決に挑み、社会実装に向けたアイデア出しを行うイノベーションチャレンジ「高専インカレチャレンジ第四弾」の最終審査会を実施した。
これは全国の国立高専を束ねる国立高等専門学校機構後援のもと、10月22日に開幕し、全日程オンラインで開催された。全国から過去最多となる高専生26名が参加、異なる学校の学生同士で8チームに分かれ、起業家を中心とする高専卒業生のメンターから助言を受けながらアイデアを競い合った。
チャレンジでは、日本郵船グループが抱える「現場の課題」、「人材の課題」、「事業の課題」を軸に9つの企業課題が出題された。BANQは課題の1つであるWeb3やブロックチェーンに関する講義および次世代型のブロックチェーンインフラである「THXNET.」の提供など、高専生を技術の側面から支援した。
最終審査会では、日本郵船の社員で構成される審査員団に対して、力のこもったプレゼンテーションと高専生ならではの実演が行われ、具体的な製品やサービスをイメージできる状態にまで完成させたハイレベルな提案が繰り広げられた。
審査の結果、最優秀賞には、ビーコンを使って船内物品の位置情報が分かるMapアプリ「VESSELS VIEW」が選ばれた。乗組員交代時の点検作業を効率化させるため、検索機能・ガイド機能を利用することで引継ぎ前から船内のどこに、どの物品があるかを簡単に知ることができ、引継ぎ時間を短縮化できる点が高く評価されました。秋田高専、石川高専、新居浜高専、広島商船高専の学生で構成されたチームの発案だった。
また、独創的なアイデアに対する日本郵船チャレンジ賞も用意され、オンライン購入した商品が海外から船で運搬される際の輸送距離に応じ、船のマイルが貯まるアプリ「船クエスト」を提案した苫小牧高専、八戸高専、富山高専の学生で構成されたチームに贈られた。
マイル数に応じて特典の抽選機会や船上からの景色などの唯一無二のデジタルコンテンツ(NFT)を獲得できるようになっており、Web3の要素も盛り込まれたアイデアだった。
SMBC日興証券では、今後も全国の高専および高専卒業生との連携を深めながら、地域密着かつ専門性の高いユニークな技術教育カリキュラムを持つ高専の学生を支援し、日本郵船は新規事業の創造や産学連携を更に加速していく。また、BANQは日本発のWeb3-aaSとして世界中のサービスやユーザーが手軽にWeb3の恩恵を受けられる世界を実現していくとしている。
なお、NFTはNon-Fungible Tokenの略で、ブロックチェーン技術を使い「唯一無二の本物」と証明可能にした非代替性トークンを指す。また、Web3-aaSとは、Web3-as-a-Service の略で、Web3化をSaaSモデルで提供する日本初のサービスのこと。
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