川崎汽船が2月2日に発表した2024年3月期第3四半期決算によると、売上高7153億5800万円(前年同期比1.8%減)、営業利益701億5300万円(13.0%減)、経常利益985億7900万円(84.6%減)、親会社に帰属する四半期純利益740億円(88.4%減)となった。
ドライバルクセグメントの売上高は2163億円(12.7%減)、営業利益は16億円(92.2%減)だった。
大型船市況は、中国向け鉄鉱石の堅調な輸送需要が続いたなか、期初には滞船緩和が進んだことで船腹需給バランスが緩み一時軟化したが、雨季の明けたギニアからのボーキサイト輸送需要の回復などにより9月以降上昇に転じた。
中・小型船市況は、期初には欧州等遠隔地向け石炭・鋼材輸送の減少、穀物先物価格の下落による買い控えを背景とした中国向け輸送需要の減退などで一時下落したが、収穫期を迎えた北米からの輸送需要の回復・本格化による滞船の増加とパナマ運河渇水等の影響による船舶稼働率の低下などで、8月中旬から上昇に転じた。
エネルギー資源セグメントでは、LNG船、電力炭船、大型原油船、LPG船、ドリルシップ(海洋掘削船)及びFPSO(浮体式石油・ガス生産貯蔵積出設備)は、中長期の傭船契約のもとで順調に稼働し、安定的に収益に寄与したが、前年度に実施した運航船舶の見直し等が影響し、売上高が809億円(5.3%増)、営業利益が47億円(47.5%減)となった。
製品物流セグメントの売上高は4103億円(3.6%増)、営業利益966億円(84.3%減)だった。
同セグメントのうち、自動車船事業では、半導体や自動車部品の供給不足を背景とした生産・出荷への影響が漸減したことで、自動車販売市場が回復基調が継続した。
物流事業では、国内物流・港湾事業でコンテナターミナル取扱量が前年同期を下回った。曳船事業の作業数と倉庫事業の取扱量は、継続して堅調に推移。国際物流事業では、フォワーディング事業の市況が低調に推移し、海上・航空輸送需要の減少傾向が継続。完成車物流事業は、豪州での滞船問題が継続するも、依然として需要が高く、陸送取扱台数と保管台数が増加した。
近海事業では、バイオマス燃料輸送で概ね安定した輸送量を確保したが、バルク輸送では主要貨物のロシア炭が大幅に減少し、輸送量は前年比で大幅に減少した。内航事業では、物価高による消費低迷に伴う荷動きの低下などにより、輸送量が前年を下回ったものの、コロナ禍の影響が縮小し、旅客・乗用車は増加した。
コンテナ船事業では、消費の伸び悩みに加え、新造船の竣工増による需給の軟化傾向が続き、短期運賃市況は引き続き低迷した。持分法適用関連会社のONEでは、冬季減便やサービス合理化を実施し費用削減を試みたものの、前年同期比で大幅な減益となった。
通期は、売上高9400億円(0.3%減)、営業利益870億円(10.3%増)、経常利益1350億円(80.5%減)、親会社に帰属する当期純純利益1050億円(84.9%減)を見込んでいる。
玉井商船 決算/4~6月の売上高23.3%減、営業利益13.4%減