ヤマトホールディングス(HD)と日本航空(JAL)、スプリング・ジャパンの3社は4月16日、ヤマトグループが導入するエアバス A321-200P2F型機の貨物専用機(フレイター)の運航を開始したと発表した。
フレイターは、JALグループのスプリング・ジャパンが運航を担い、同日、就航を記念して成田空港、新千歳空港、北九州空港、那覇空港で就航記念セレモニーが開催された。
<就航記念セレモニーでのウォーター・サルート 成田空港にて>
<各地で就航記念セレモニーを開催>
EC市場の成長や宅配便が増加する一方、2024年問題などの影響により労働力不足が懸念されている。こうした環境変化に対応するため、ヤマトグループとJALグループが連携し、新たな輸送手段として活用するのが、フレイターだ。また、フレイターによる輸送には近年、全国各地で発生する大雨や大雪、地震などによる物流網寸断リスクへの対応を強化するという狙いもある。3社は安定的な輸送力を確保しサービス品質の維持・向上を図ることで、持続可能な物流ネットワークの構築を目指す。
ヤマトHDの長尾 裕社長は就航開始セレモニーで、「まさに『物流の2024年問題』がスタートしたタイミングでの就航となった。これまで長距離輸送を担ってきたトラック、鉄道、フェリー、旅客機床下貨物スペースに、新たな輸送モードとしてフレイターが加わる。フレイターの強みを生かしたスピード輸送など、様々な顧客に利用いただける輸送スキームを構築し、地域産業の発展に貢献していきたい」と抱負を語った。
フレイターの最大搭載重量は28t/機で、これは10tトラック約5~6台分に相当する。
運航を担うのは、JAL連結子会社のスプリング・ジャパン。運航路線は、成田空港→北九州空港→関西空港→成田空港(2回/日)で、1日あたり6区間を飛行する予定だ。