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三井不動産/街づくり型MFLP、不動産から産業デベロッパーへ

2024年07月11日/物流施設

三井不動産は7月11日、東京ミッドタウン日比谷で「三井不動産ロジスティクス事業説明会」を開催した。

<篠塚寛之執行役員ロジスティクス本部長>
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2024年4月に公表した新グループ長期経営方針「& INNOVATION 2030」のもと、今後のロジスティクス事業における新事業戦略を策定。この4月に就任した篠塚寛之執行役員ロジスティクス本部長が解説・説明した。

<開発施設数、総延床面積の推移(各年度)>
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現状については、国内新規開発を8物件、国内外開発施設は75物件、延床面積約600万m2、(2024年6月末時点では、竣工済み51物件、約400万m2)累計総投資額は約1兆2000億円となると説明。需要が一段落しているとされる現在、物流施設開発デベロッパーが以前にも増して増加していることについて、「物流施設開発は今後顧客に対して丁寧な対応のできるプロのデベロッパーしか生き残れない」と厳しくなる市場を分析しつつ、新事業戦略では自社の技術とサービスに自信を見せた。

新事業戦略では、「ロジスティクス事業のさらなる成長」を目指し、総合デベロッパーとして、街づくり型MFLPの進化を図り、物流コンサルプラットフォーム「MFLP&LOGI SOLUTION」の提供を推し進める。

街づくり型物流施設では、EC自動化物流センターやICラボ等の先進的な物流施設を開発・運営。業界初のドライバーを含む7000名以上の施設利用者に対し満足度調査を実施し、トラック待機場やコンビニ、従業員がくつろげるラウンジ開発につなげている。さらに、地域防災に対する取り組みや地域貢献イベントなどで、地域に根を下ろすとともに、配送・点検・災害活用に役立つドローンの実証実験フィールドを提供するなど「街づくり型MFLP」を協力に推進している。

また「事業領域の開発推進」として、冷凍・冷蔵倉庫の開発推進、データセンター事業の拡大、工場・インフラ設備等へのウィングの拡大を挙げている。篠塚本部長は「2025年6月着工予定の仮称MFLP杉戸は当社初のマルチ型冷凍冷蔵倉庫。冷凍・冷蔵倉庫のマルチ化は、利用客も限られ、それぞれ仕様も違うため、とても開発が難しい。仕様を含めた技術的な問題はほぼ解決したが、まだまだ課題はあると思っている」と話す。データセンターについては、生成AIや5Gの普及による需要の高まりから、積極的なデータセンター事業構築を図っている。

また、「MFIP羽田」をはじめとして、工場・インフラストラクチャー事業への参入では、倉庫・オフィス・ラボ等の産業活性化に寄与する複合用途施設の開発を進めている。新たにグルメプラットフォーム「mitaseru(ミタセル)の製造拠点を「MFLP船橋」内に新設予定で、商品製造工場から保管、配送まで、一気通貫した独自のサプライチェーンを構築していくとしている。

このようなことから、同社では、これまでの不動産デベロッパーから「産業デベロッパー」として、社会のイノベーション・付加価値の創出に貢献するとしている。

なお、2024年問題については、「顧客からの声で圧倒的に多かったのが人手不足。そのため拠点効率化や庫内作業の効率化等の相談が多数寄せられた。グループのプラットフォーム『MFLP&LOGI SOLUTION』にも幅広い相談が入っており、今後もこれらの顧客の要望に応えていきたい」と篠塚本部長は話している。実際、国内ハウスビルダーでは、工場・倉庫拠点の集約・輸配送料金プランの見直し等により、サプライチェーンの変革で、年間コストを約8億円(現状から2割削減)したという。

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