日本貨物鉄道(JR貨物)は12月13日、要望の強い区間で輸送力を増強する目的で、ダイヤ改正を2025年3月15日に開始すると発表した。
また同社では、中距離輸送のモーダルシフトの要望に応えるため、コンテナ列車の設定や利便性の向上を行う。また近年ニーズが高まる大型コンテナの取扱い拡大を図る。
ダイヤ改正の主な内容は、「東京→仙台間にコンテナ列車を設定」「コンテナ輸送のリードタイム短縮」「深夜発ダイヤの拡充」「要望の強い地域間の輸送力増強」「大型コンテナの取扱いを拡大」の5つが挙げられている。
<東京~仙台間にコンテナ列車を設定>
東京(タ)と郡山(タ)・仙台(タ)を直結するコンテナ列車を設定し、東京臨海部から南東北地区への利便性を向上する。なお、改正後は途中停車駅が新座(タ)・郡山(タ)となる。
<コンテナ輸送のリードタイムを短縮>
札幌(タ)→広島(タ)間に日本海縦貫線経由の直行ルートを設定し、これまでの所要時間を大幅に短縮、3日目早朝配達を実現する。
福岡(タ)→新座(タ)・宇都宮(タ)間の列車を速達化し、所要時間を短縮する。
<深夜発ダイヤの拡充>
積み合わせ貨物や生鮮食料品等、深夜発の輸送ニーズに応えるため、コンテナ列車のダイヤを変更し、利便性を向上する。
<要望の強い地域間の輸送力増強>
岡山(タ)・広島(タ)への利便性向上のため、東京(タ)発広島(タ)行のコンテナ列車を設定する。なお、出荷波動に対応するため、九州行も利用可能な輸送ルートを設定する。
なお、改正後は途中停車駅が川崎貨物・静岡貨物・京都貨物・神戸(タ)・姫路貨物・岡山(タ)となる。
この他、顧客からの要望が強い地域間の輸送力の増強や、新たな直通輸送ルートを設定し、輸送サービスの向上を図る。
<大型コンテナ取扱いの拡大。主な取扱い拡大区間>
大型トラックとほぼ同じサイズでモーダルシフトのしやすい31ftコンテナや、20ftコンテナの取扱いを拡大する。
なお、物流2024年問題によるトラックドライバー不足が懸念される一方、世界規模の気候変動が深刻化しており、物流においても2050年カーボンニュートラルに向けた取組みの推進が求められている。
このような中、物流を取り巻く社会課題の解決のため、環境特性に優れ労働生産性の高い貨物鉄道輸送が果たす役割が期待され、従来から利用の多い長距離輸送に加えて、中距離輸送についても貨物鉄道へのニ-ズが高まっているとして、今回のダイヤ改正に至ったもの。
※(タ)とは、ターミナルの意味
※各項目の輸送力(個数)は、特に記述の無い場合は 12ft コンテナの個数を示す
※時刻関係については 12 月 13 日現在のものであり、変更となる場合がある
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