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労働者派遣法/10月1日より改正

2012年08月23日/物流施設

厚生労働省は8月22日、10月1日より施行する労働者派遣法改正法を解説したWebコーナーを設けた。

労働者派遣法の正式名は「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」から「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」に改正。

法律の目的にも、派遣労働者の保護のための法律であることが明記した。

Webコーナーでは、「派遣労働者・労働者」向け、「派遣会社・派遣先」向け、「改正に関する資料」、「問い合わせ先」の4つの項目について解説。

「派遣労働者・労働者」向けでは6つの改正ポイントを説明。派遣会社を選ぶときに派遣会社のマージン率や教育訓練に関する取り組み状況などがわかるようになった。また、派遣会社は必ず待遇に関する事項の説明を義務付けられ、賃金の見込み額や待遇に関すること、事業運営に関すること、労働者派遣制度の概要などが労働契約を結ぶ前に説明が受けられることになった。

働くときには、派遣先の社員との均衡(賃金など)が配慮されるようになる。派遣先で同種の業務に従事する労働者の賃金水準、派遣労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力、経験などに派遣会社は配慮しなければならなくなった。

また、派遣労働者・労働者の希望により、有期雇用から期間の定めのない雇用への転換が進められるようになる。これは、有期雇用の派遣労働者(雇用期間が通算1年以上)の希望に応じ、期間の定めのない雇用(無期雇用)に転換する機会の提供、紹介予定派遣の対象とすることで、派遣先での直接雇用を推進、無期雇用の労働者への転換を推進するための教育訓練などの実施のうち、いずれかの措置を取ることが派遣会社の義務となった。

日雇派遣は、雇用期間が30日以内の労働契約のときは認められなくなった。日雇派遣は、派遣会社・派遣先のそれぞれで雇用管理責任が果たされておらず、労働災害の発生の原因にもなっていたことから、雇用期間が30日以内の日雇派遣は原則禁止になった(一部例外事項あり)。

そして、離職後1年以内に、派遣労働者として元の勤務先に派遣されることはない、としている。直接雇用の労働者を派遣労働者に置き換えることで労働条件の切り下げが行われないよう、離職後1年以内に、派遣労働者として元の勤務先に派遣されることはなくなった。

派遣元事業主・派遣先に関しては、11の新たに課される事項について、表にして示している。

<派遣元事業主・派遣先に新たに課される事項>
20120823kousei1 - 労働者派遣法/10月1日より改正

日雇い派遣は原則禁止になったが、例外的に政令で定める業務について派遣する場合は認められることになった。

<禁止の例外となる業務>
20120823kousei2 - 労働者派遣法/10月1日より改正

60歳以上の人、雇用保険の適用を受けない学生、副業として日雇派遣に従事する人、主たる生計者でない人も例外扱いとなる。

さらに、グループ企業派遣の8割規制が設けられた。派遣会社と同一グループ内の事業主が派遣先の大半を占めるような場合は、派遣会社が本来果たすべき労働力需給調整機能としての役割が果たされないことから、派遣会社がそのグループ企業に派遣する割合は全体の8割以下に制限される。

<グループ企業派遣の8割規制>
20120823kousei3 - 労働者派遣法/10月1日より改正

離職後1年以内の人を元の勤務先に派遣することの禁止も加わった。本来直接雇用とすべき労働者を派遣労働者に置き換えることで、労働条件が切り下げられることのないよう、派遣会社が離職後1年以内の人と労働契約を結び、元の勤務先に派遣することはできなくなった(元の勤務先が該当者を受け入れることも禁止される)。

マージン率などの情報提供派遣料金の明示も義務付けられた。労働者や派遣先となる事業主がより適切な派遣会社を選択できるよう、インターネットなどにより派遣会社のマージン率や教育訓練に関する取り組み状況などの情報提供が義務化される。

そして、待遇に関する事項などの説明が義務化となった。雇用された場合の賃金の見込み額や待遇に関すること、派遣会社の事業運営に関すること、労働者派遣制度の概要の説明が義務となった。

派遣先の都合で派遣契約を解除するときに講ずべき措置では、派遣労働者の新たな就業機会の確保、休業手当などの支払いに要する費用の負担などが派遣先の義務となる。

有期雇用派遣労働者の無期雇用への転換推進措置では、無期雇用の労働者として雇用する機会の提供、紹介予定派遣の対象とすることで、派遣先での直接雇用を推進、無期雇用の労働者への転換を推進するための教育訓練などの実施などに努めなければならない。

派遣労働者が無期雇用労働者か否かを派遣先への通知事項に追加も必要となった。

均衡待遇の確保では、派遣会社は派遣先で同種の業務に従事する労働者の賃金水準、派遣労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力、経験などに配慮しなければならなくなった。

そして、労働契約申込みみなし制度(2015年10月1日施行)では、派遣先が違法派遣と知りながら派遣労働者を受け入れている場合、違法状態が発生した時点において、派遣先が派遣労働者に対して労働契約の申し込み(直接雇用の申し込み)をしたものとみなす制度となる。

■労働者派遣法改正
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/haken-shoukai/kaisei/

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