従来の倉庫とは一線を画したアメニティの充実
南港DC1を訪れた際に、まず入口付近に設置された小さなオープンテラスに驚く。ランプ横のスペースを利用して作られたテラスには、ウッドデッキを採用し、白い椅子とテーブルを用意。従業員のみならず、ドライバーもちょっとした休憩に利用できる。
エントランスに入ると、ホテル並みの内部デザインに目を奪われる。倉庫の顔としてさまざまなコンテナに見立てたデザインで、大小の窓から光が差す天井の高いホールのもと、コンテナの下にできた少し小さな空間を待合や売店にしており、木目を基調とした落ち着いた雰囲気を醸し出している。
こじんまりした場所を作ることで巨大な倉庫内で働く人がほっと一息つけるような居場所をちりばめたとのこと。喫煙ルームもさりげなく、用意されている。
1階の管理事務所の前には、「BARNKLUBB kids club(バーンクラブ キッズ)」託児所が設けられている。売店横には喫煙ルームがある。託児所は20名が収容可能だという。シンプルな造りながら、明るい雰囲気を演出している。
そして4階にあるのが「KLUBB Lounge(クラブラウンジ)」と呼ばれる収容人員150名のリラックスゾーンだ。大阪湾が目の前に迫るパノラマラウンジとなっている。大型モニターTV、無料Wi-Fiを備え、ソファー席や会議室、喫煙ルームまで用意している。
ラウンジの外側には空中に突出したウッドデッキのオープンテラスを設け、大阪湾が一望に見渡せる。「リフレッシュできる場所を目指しました。ここは夕焼け時が最も美しいときです。ここで事務仕事を行う方もいらっしゃいます」と井上ディレクターが話すように、開放感たっぷりのラウンジとなっている。
先進的大型物流施設が日本に進出して約20年、各社が競う中、今では当たり前となっている機能の多くが、次々に採用され、内部的な進化の競争は留まることはない。
以前は3K職場の典型だった倉庫の概念が、今やアメニティの充実やロボット化、IoT化などの進展により、大きく変化を遂げている。少子高齢化、労働人口の減少により、倉庫も選ばれる時代になった。
倉庫本来の基本性能に+αの付加価値、つまりESRの掲げる「HUMAN CENTRIC DESIGN」を実現した物流施設がごく当たり前の物流施設となるのもそう遠くはないだろう。
■藤井寺DC
https://www.lnews.jp/redwood/detail/fujiidera.html
■南港DC1
https://www.lnews.jp/redwood/detail/nanko1.html
ESR/投資額約170億円、鳥栖IC近接エリアに6.5万m2の物流施設開発