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物流最前線/トップインタビュー、日本GLP 帖佐義之社長

2018年01月22日/物流最前線

2018年は7物件、50万m2超を竣工
希少となる物流適地は時間をかけて開発

―― 昨年の竣工はGLP吹田、GLP川島、GLP柏IIで約25万m2の開発でした。GLP吹田はアスクルさんの一棟貸となり、アスクル最大の延床面積16.5万m2となっています。当初からBTS型開発でしたか。
※BTS:顧客の要望の立地や設備に合致した、専用の施設

帖佐 GLP吹田は昨年9月7日に竣工し「ASKUL Value Center 関西」として同社最大の物流センターとして利用します。現在、フル稼動に向けて準備を進めている最中です。当初は、マルチテナント型で計画していたのですが、一棟全部賃借ということになり、BTS型としてさまざまな要望に応えて開発しました。

―― さまざまな要望とは。

帖佐 開発中に埼玉県の火災事故があり、防災とか地域住民の不安を取り除く部分に全力を傾けました。そのため、アスクルさんと共に吹田市と災害時の協力に関する協定を結んでいます。日本GLPの他の施設でもこのような事例がありますが、GLP吹田もそのようにしました。

―― 2018年の竣工予定は。

帖佐 今年は竣工物件が多く、全部で7棟、合計50万m2超となります。まず、GLP神戸西IIが1月、GLP小牧IIが2月、GLP流山Iが2月、GLP寝屋川が4月、GLP流山IIが5月、GLP枚方IIIが9月、GLP圏央五霞が10月に竣工予定となっています。着工は今のところGLP新座を3月に予定しています。

―― 竣工ラッシュですが、今後の開発はやはり大型開発が中心ですか。

帖佐 土地を確保してから着工に取りかかるまで期間が必要な場合が多くなって来ました。物流適地と呼ばれる場所が少なくなってきた中で、土地代も高騰しています。日本GLPは現在、大型開発に力をいれており、物流団地、物流パーク構想を進めています。そうすると、面開発が必要で、区画整理、大規模な造成を行うことになりますので、少なくとも、着工までに2~3年はかかります。GLP流山I、II、Ⅲの開発もこの流れでした。
先進的物流施設ですから、大型開発が目立つため、事業の中心と見えると思いますが、日本GLPは実は既存施設の再生も事業として行なっています。そのような施設を日本GLPでは約40棟保有しています。新築信仰は日本GLPにはありません。既存施設を再生する技術を持っていますし、社会資本を無駄にしないためのノウハウも蓄えています。決して物流施設需要は先進的物流施設だけあれば満たされるものではありませんので、様々なタイプの物流施設を提供しています。

―― 物流施設開発のプレーヤーも増加して、競争時代になっています。

帖佐 私はそういう意識は持っていません。確かに、開発ディペロッパーは増えましたが、逆に、先進的物流施設の認知度が上がり、事業について説明しやすくなってきています。さらに、フルに物流施設開発ができる企業はまだまだ少ないですからね。

―― 余裕が感じられます。

帖佐 それだけの自信はありますね。

――  それでは、2018年のGLPのメッセージを。

帖佐 GLPはこれまでも物流業界に役立つことを基本にやってきました。人びとの生活を支える社会インフラに少しでも貢献できればと思っています。顧客の要望に適確に応え、今までにない、もっと進化した新しい時代の物流施設を提供していくつもりです。もしかしたら、物流施設の使い方の多様化が始まっている現在、物流施設とは呼べないような、新しい形の提案も積極的に図っていくつもりです。

■2018年竣工予定の物件
<GLP神戸西II>
20180122glp7 500x244 - 物流最前線/トップインタビュー、日本GLP 帖佐義之社長

<GLP小牧II>
20180122glp8 500x264 - 物流最前線/トップインタビュー、日本GLP 帖佐義之社長

<GLP流山I>
20180122glp9 500x281 - 物流最前線/トップインタビュー、日本GLP 帖佐義之社長

<GLP寝屋川>
20180122glp10 500x255 - 物流最前線/トップインタビュー、日本GLP 帖佐義之社長

<GLP流山II>
20180122glp11 500x211 - 物流最前線/トップインタビュー、日本GLP 帖佐義之社長

<GLP枚方III>
20180122glp12 500x319 - 物流最前線/トップインタビュー、日本GLP 帖佐義之社長

<GLP圏央五霞>
20180122glp13 500x229 - 物流最前線/トップインタビュー、日本GLP 帖佐義之社長

<帖佐義之社長>
20180122glp14 500x300 - 物流最前線/トップインタビュー、日本GLP 帖佐義之社長

■プロフィール
氏名:帖佐義之
生年月日:1969年8月19日生まれ
出身地:東京都
最終学歴:慶應義塾大学法学部卒業
略歴
1992年三井不動産入社。オフィスリーシング、マンション・戸建開発に携わり、その後、三井不動産投資顧問にて、海外機関投資家に対する資産運用業務および不動産投資に関するアドバイザリー業務を行う。
2003年3月プロロジスに入社。ヴァイス・プレジデント。
2007年7月よりシニア・ヴァイス・プレジデント運用事業部長。
2009年3月のGLプロパティーズ設立以来、物流施設のリーシング、取得・売却、資産運用業務など日本国内におけるオペレーション全般を指揮。
2012年10月30日にGLプロパティーズ(2013年4月にグローバル・ロジスティック・プロパティーズに社名変更)の代表取締役社長就任。
2018年1月22日に「日本GLP」に社名変更し、代表取締役社長。

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