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国交省/トラック隊列走行実現へ、高速道路でインフラ整備

2019年09月10日/3PL・物流企業

国土交通省は9月10日、「高速道路における安全・安心基本計画」を公表した。

この計画の中では、高速道路の安全性・信頼性や使いやすさを向上する具体施策として、「自動運転等のイノベーションによる高速道路の進化」を挙げており、「自動運転に対応した道路空間の基準等の整備」と「高速トラック輸送の効率化」の2項目について、実現目標とそれに向けた取り組みが記されている。

「自動運転に対応した道路空間の基準等の整備」では、2022年以降に東京~大阪間で後続車無人隊列走行システムの商業化を目指すほか、2020年を目途に高速道路での自家用車自動運転(レベル3)、2025年を目途に高速道路での自家用車完全自動運転(レベル4)の実現を目指す。

自動運転については、人的ミスの排除や交通安全の抜本的向上が期待されるとともに、物流の効率化や労働生産性の向上にもつながることから、高速道路での自家用車や物流サービスへの自動運転の活用について、技術の進展状況に留意しつつ積極的に取り組むとしている。

また、自動運転のための専用空間や路車連携技術、高精度三次元地図の整備など、自動運転に対応した道路空間の基準などの整備に向けても取り組みを進めていく。

「高速トラック輸送の効率化」では、ダブル連結トラックの利用促進や、後続車無人隊列走行の実現に向けたインフラ環境整備を推進する。

ダブル連結トラックの利用促進に向けては、事業者のニーズに合わせてダブル連結トラックの全国の高速道路網への展開を目指しており、すでに1月から新東名を中心に本格導入が始まっているほか、物流事業者のニーズを踏まえて8月に対象路線を拡充。今後はさらなる普及促進を図るとともに、サービスエリアやパーキングエリアで駐車マスの増設に取り組んでいく。

後続車無人隊列走行の実現に向けては、2021年までに後続車有人隊列走行システムの、2022年以降に東京~大阪間後続車無人隊列走行システムの商業化を目指す方針で、高速道路でのトラック隊列走行の実現を見据え、新東名、新名神高速道路を6車線化し、三大都市圏をつなぐダブルネットワークの安定性・効率性を向上させる。

また、休憩スペースや連結解除拠点など、新東名・新名神を中心に高速道路インフラの活用策について検討を推進するとともに、新東名(静岡県区間)を中心に本線合流部での安全対策や、既存SA・PAの拡幅など実証環境整備を実施する。

「高速道路における安全・安心基本計画」は、2017年12月に社会資本整備審議会道路分科会国土幹線道路部会でとりまとめられた「『高速道路の安全性、信頼性や使いやすさを向上する取組』基本方針」で提案された施策の中期的な整備方針等を示し、計画的で着実な推進を図ることを目的として策定された。

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